研究紀要第29号 学習指導に関する研究 - 090/118page

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図-6
図−6泳動用ろ紙のセットと試料の塗布

E 時計皿の試料液中に,予め作っておいた小ろ紙片(0.2×1p)を6枚浸し,充分に試料を浸みこませた後,ピンセットで小ろ紙片の一端をつまんで取り出し,余分な試料を時計皿の端でぬぐいとって,泳動用ろ紙上の試料塗布位置に図−6のように5o間隔に密着させる。
F 5分間密着させた後,すばやくピンセットで試料のついている小ろ紙片を取り去る。
G 泳動槽のガラス蓋をかけて,出力電圧300V(約2mA)で60分通電する。(写真5)
H 通電終了後,ろ紙を取り出して,電気定温乾燥器の中で100〜110℃で2〜5分間乾燥する。
I 乾燥後,ろ紙にニンヒドリン液をスプレーでふんむして,100℃で5分間,電気定温乾燥器(ヒーターをいれたまま)の中で加熱乾燥し,発色させる。

写真5
写真5 通電しているところ 右は予備緩衝

(4) 結果と考察

 写真6と図−7は,ヒヨコの餌と糞およぴ各消化管の内容物を,ろ紙電気泳動法で調べた結果である。
 アミノ酸の量が多ければ,ニンヒドリン液による発色が濃紫色になる。これをもとにして,各消化管内容物のどこにアミノ酸が多いかを調べることができる。

写真6
写真6

上の段の左から 餌    十二指腸   直腸
中  〃     そのう   小腸中央部  盲腸
下  〃     砂のう  小腸後端   糞

図−7 餌と糞および各消化管内容物中のアミノ酸の検出(ろ紙電気泳動法による)
図-7

 十二指腸から7個のスポットが現われはじめ,小腸中央部で7個のスポットが最も濃くなっている。次に濃いのが小腸後端で6個のスポットがはっきり現われているが,一番右側のスポットはかすかにわかる程度である。直腸になるとずっと淡くなってしまい5個のスポットが認められる。
 餌や糞では,かすかに2〜4個の発色が認められるにすぎない。

 したがって,消化管内のアミノ酸は小腸中央部で最も多く,つぎに小腸後端,十二指腸と多く,直腸ではずっと少なくなっている。
 この結果,すい臓から分泌される消化酵素によ


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