研究紀要第30号 学年・学級経営の改善 - 007/024page
調査にあたって,あらかじめ次の係を例示した。
主任・副主任・学習指導係・生徒指導係・行事係・記録係・会計係・その他 その結果,副主任を除いてはほとんどの学年が,係の名称こそ違え例示の係分担がきまっていた(1校だけ主任の外係なしの学年があった(小学校b型))。
d型の中学校には「管理係」「補欠配当係」などの係があった。なお注目すべきことは,学年の係として生徒指導係の他に「教育相談係」を設けている学校が数校あったことである。この調査が各係の基体的な内容にまで及んでいないので詳しいことは分らないが,この教育相談係がカウンセラーであるならば,すばらしい学年組織である。
なお,この種のことに関しては,当センター所報第28号の「小・中学校における教育相談の諸問題」にその実態が述べられている。(2) 学年副主任について
学年に副主任を置いてある学校は次の通りである。
図5-1 学年副主任の有無この表でわかるように学年で副主任を置いてあるのは小学校40%,中学校72%と中学校が多い。これは一般的にいって中学校の方が学年事務が多岐にわたり,事務量も多いということからくるのであろう。
これを更に学校規模別にみてみる。規模別にみると,小・中学校ともに規模が大きくなるに従って副主任設置の率も多くなる。中学校ではc・d型になると100%となる。大規模になるにつれて組織化が要求されるのであろう。
(3) 学年会の司会はだれが行うか。
学年会を創造的に運営し,各メンバーを協同の責任をもって積極的に参加させるために,司会者・記録者・提案者等を交代にして運営するなど,よくいわれることであるが,実態はどうであろうか,司会者を例にとってみる。
上記の図が示すように,小・中学校ともに主任の司会が多い。もっとも主任の司会の中にはかなり副主任が司会するというケースがあった。いずれにせよ,司会は特定の人に限られていることになる。
また,実際には時により,議題の内容により適宜の運営をする場合も多いと思う。「特に定まっていない」の回答には,そのような内容が含まれていることも考えられる。