研究紀要第30号 学年・学級経営の改善 - 008/024page
6.学年研修・学年行事
学年経営は,学年において解決しなければならない課題の解決の場であり,学校の教育目標や経営方針を受け,これを学年・学級の場に具体化を図るための創造的な経営を進めていく組織体であることは前述したとおりであるが,創造的な経営とは何か,学年行事と学年研修を例にとり,その実態を考察してみる。この場合,学年行事を学年独自の行事と限定し,学年独自の行事とは学校行事を学年に下ろした行事でなく,学年で計画し,その学年のみで行う行事という条件をつけた。(PTA行事は除く)学年研修も同じように考える。なぜならば,学年の独自性こそ,学年の創造的な経営の根幹であると考えるからである。
上記の図は見方によれば学年行事の内訳ともなる。つまり小学校を例にとれば「無」の74%は,学校行事をそのまま学年の行事としているのが74%であると解してもよい。そのままとはいっても,もちろん学年・学級の場に具体化を図るためにさまざまな手だてや配慮がなされることは当然であろう。
学年独自の行事としては次のような行皐があげられた。●小学校−社会科見学,いも煮会,何でも話す会,宿泊訓練,親子遠足etc.
●中学校−学年集会,職業講話,宿泊訓練,学年レクレーションetc.研修に関しては上記の図の通り小学校32%,中学校17%となっている。
すでに(4)の項(学年会の内容)でのべたように研修に関しては小学校の方がパーセンセージが高いことは考察したとおりであるが,ここでも同じ結果がでてきた。なお,研修名としてあげられたものは次のようなものである。
●小学校−道徳授業研究会,水泳,図工,体育の実技研修会,各教科の指導法の研究会etc.
●中学校−問題生徒の事例研究会,名跡探勝会etc.7.学年会記録簿とその利用
学年会が公的組織である以上,記録簿が有ることは当然といえる。まして学校の教育活動であれば,計画−実践−評価とつづく一連の過程において,それぞれの協議内容,決定事項,実践と結果,評価など,学年の貴重な教育実践の資料ともなるものである。
表7-3 学校規模別にみた学年会記録簿の形式
形式は学校で統一 学年独自の形成 とくに決まっていない 小 中 小 中 小 中 a 型 0% 18% 17% 46% 83% 36% b 型 42 19 28 46 30 35 c 型 36 30 24 23 40 47 d 型 67 0 22 40 11 60