研究紀要第30号 学年・学級経営の改善 - 013/024page
●中学校の大規模校においての第1位は「学年の意志の学校経営への積極的反映」であり(33%)次いでは「学年内職員の和合」となっている。(27%)
●中学校中規模校においての第1位は「学年内職員の指導助言」であり(31%),第2位が「学年意志の反映」となる(23%)さて,学年主任が以上のような多岐にわたる期待に答えるということは,学年主任の職務を十分に果たすということにほかならない。学年主任が,学年主任としての職務を遂行することが,とりもなおさず期待に応えることになるわけである。
従って,学年主任の職務内容について十分に吟味しなければならないが,本調査ではそれを直接には取りあげなかった。
以上のことは,校長からの期待であるが,学年主任は(何も学年主任に限ったことではないが)その外,同学年の担任教師からの期待もあれば,子どもからも,父母からも期待されているわけである。そこで,当センターの研修に来られた先生方(管理職者はもちろん,学年主任でない先生)に,あなたの学年主任に望むことは何かという事について意見を聞いてみたが,大体次のような答えが多かった。
●学年事務を計画的に進めてもらいたい。
●学年会で話し合った意見を,校長,教頭に通してもらいたい。
●仕事の量の均等をはかってもらいたい。
●民主的な運営をしてもらいたい。(ひとりひとりの意見をよく聞いてほしい)
●学年の活動にレクエーションを入れてほしい。
●提出物・報告文善など,学年主任のところでチェックしてほしい。(指導助言をしてほしい)13.学年主任を選任する観点
No.12で校長が期待する学年経営を述べたが,それでは学年経営の中心的推進者である学年主任を選任する場合,いかなる観点が考慮されているであろうか,この間題の設定にあたって,はじめに10の事項を設定し調査した。
調査の結果は下記の図13-1になる。
図13-1 学年主任を選任する観点
上図13-1によると小学校は「教科指導・生徒指導等の指導力」の選択が最高であり,次いで「学年をまとめる力」「教職経験年数」となっており,それに対し中学校では「学年をまとめる力」が最高であり,次いで「教科指導・生徒指導の指導力」「企画力」となっている。
「学年をまとめる力」の項目については,小・中学校とも小学校27%,中学校30%と差は少ないが,教科等の指導力となると小学校28%に比して,中学校20%とやや開きがみえてくる。