研究紀要第33号 学習指導に関する研究 - 006/092page

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ブトン型を実施しているから無駄であるという意見も聞かれる。その中で兵庫県立教育研修所の有沢正隆氏の研究は貴重な資料である。
 本県における地歴並行学習の現状を次の要領に従い調査した。

(1) 調査の要領

@ 調査の目的

 本県の中学校における地歴並行学習の実態をは握し,社会科教育の指導計画上の課題を探る資料とする。

A 調査の内容

ア.社会科指導計画(分野・学年配当)
イ.地歴並行学習の運営
ウ.地歴並行学習実践上の問題

B 調査の方法

 選択肢及び記述によるアンケート方式

C 調査の対象

 昭和52年度中学校社会講座研修者 64名
 中学校社会講座は,本県教育センターが行うものであり,昭和52年度は6月・11月の2講座を実施した。研修者は,県内一円から参加しており,参加者は1校1名であったので結果的には,本県中学校(254校)の25%にあたる64校が調査の対象となった,

表1 調査校(研修者)の地区別内訳

地区















調査数
13
16
3
12
3
7
10
64

D 調査の時期

昭和52年6月及び10月

(2) 調査の結果

@ 社会科指導計画の現状

表2 社会科指導計画の地区別状況















(%)
パイ型
2
0
0
0
1
2
2
7
(11)
変型パイ型
11
12
2
11
2
5
8
51
(80)
ザブトン型
0
4
1
1
0
0
0
6
(9)

 表2から,パイ型ないし変型パイ型の採用が91%をしめ,大半の学校で地歴並行学習を実施していることがわかる。兵庫県の場合,パイ型が30.5%,変型パイ型36.5%,ザブトン型30.2%であったと有沢氏の報告があるが本県の場合の方が地歴並行学習の実施率の高いことがわかる。また,本県の場合ザブトン型実施が一部の地区に集中しているのが目立つ。

表3 学校規模別採用状況調査
11学級以下
12〜18学級
19学級以上
パイ型
3
2
2
7
変型パイ型
28
11
12
51
ザブトン型
2
4
0
6
33
17
14
64

表3は「……学校の実態(たとえば,小規模校における……)」(中学校指導書社会編P371)にある学校の規模と採用の型との関係を見たものであるが,ほとんど関係のないことがわかる。

表4 パイ型・変型パイ型・ザブトン型採用の理由
理由
計(%)








ア.学習指導要領に望ましいとあるから
20(35)
イ.社会科の本質に迫るのに効果的だから
10(17)
ウ.従前からこの型を採用しているから
24(41)
エ.その他
4(7)
小計
58(10)




ア.学校の実態(規模・教員定数や配置など)から
4(66)
イ.各分野を集中的に指導でき効果的だから
1(17)
ウ.その他
1(17)
小計
6(100)

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