研究紀要第33号 学習指導に関する研究 - 011/092page

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 生徒が負担を感じるのは,テストの時ではあるまいか。福井市立明倫中学校笠島清治教諭の研究報告(中等教育資料330)によると地歴並行学習に対する生徒の反応として,学習上の主な問題点の中に,「テストのとき,復習する分野が多くて困る。地歴とも平均してやれない」を第一にあげている。

 県内の学校では,期末テストとか中間テストとか称し全教科ないし数教科をある期間(1日〜数日)をテスト日に定め,一斉にテストする場合が多い。社会科の場合,地歴両分野を分けてテストするより,社会科としてまとめて実施する。その場合,生徒の負担感はどうだろうか。そこに問題の原因が所在すると思う。

 これを解決するには,期末テスト等いわゆる一斉テストを廃止するのも一つの方法であると思う。
テストの意味からいって,単元終了時の単元テストや本時テスト等に価値がある。単なる評定のための便宜的な一斉テストを無くすことによって,生徒の負担は分散されると思う。

(2) 教科経営上の問題についての考察

 地歴並行学習上の問題を解決するためには,学習指導上だけでなく,社会科経営上からもその対策をたてなければならない。
 社会科経営上の最大の問題は,担当時数,担当分野(あるいは他教科)の過多にともなう教員の負担に関する問題であろう。

 県内で多く採用されている変型パイ型による場合,週当り第1学年4時間,第2学年4時間,第3学年5時間の授業が行われる。これを学級数規模別に見た場合,表12のようになる。

 この表は,学級数4の場合,最も現実的な学年組み合わせと、思われる2例,つまり上段の第1学年1学級,第2学年2学級,第3学年1学級の授業時数の少ないものと,下段の第1学年1学級,第2学年1学級,第3学年2学級の授業数の多いものを設け,上段の場合,学年授業時数第1学年1学級で4時間,第2学年2学級で8時間,第3学年1学級で5時間を1−4,2−8,1−5にあらわし,時間数の合計を全学年授業時数としたものである。

 教員の配当数は,一応教員1人当り週20時間と考え,全学年に必要な人数を割り当てた。また,その場合の教員1人当りの担当時数を示めしたものである。(小数以下は切り上げて示した。)

表12 学級数と社会科授業時数及び担当時数(変型パイ型の場合)
表12 学級数と社会科授業時数及び担当時数(変型パイ型の場合)
この表によると,教員1人当り週19時間〜20時


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