研究紀要第33号 学習指導に関する研究 - 012/092page

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間(小数は切り上げる)が適当な担当時間とした場合,9・13・17・18・21・22・23・26・30・35の学級をもつ学校が経営しやすく,その他の学校では一部又は全部の社会科担当教員が他教科をも担当せざるを得ない状態にあるといえる。
 表13は,この研究に参加した学校の学級数を調べたものである。これによると経営しやすい学校に属するのは,15校で全体の23%しかないことがわかる。

表13 学級数別学校数
学級数
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
学校数
1
7
3
2
4
3
1
3
3
6
3
2
学級数
14
15
16
17
18
19
21
24
26
28
30
35
学校数
2
3
2
1
2
2
2
4
1
1
3
1
合計64

しかも,現場においては社会科担当教員の過不足があったり,他教科担当教員の過不足もあって容易ではない。このことが時数の過重負担と多分野,多教科にわたる担当を強いることになる。「教員の負担が大きい」という批判は,これに伴う教材研究の多さを指す場合が多い。つまり,1・2学年の地・歴を担当し,さらに他の教科を1教科担当している時,1学年の地・歴,2学年の地・歴そして他教科を合わせて五つの教材研究が必要であることをいう。

 表14は,担当分野(教科)数と学級数との関係を示したものである。この調査は,地歴並行学習を進めている58校を対象にしたものであり,集計は,社会科のみ担当している教員と他教科より社会科の担当時数の多いものを対象とした。また,それらの教員が担当している社会科以外の教科を一つの分野に換算した。さらに,変型パイ型を実施している場合の第3学年の歴史的分野と公民分野は合わせて一つの分野とした。

 この表から,担当分野(教科)数の最大は,6であり平均担当分野(教科)数は2.7であることがわかり,従来のザブトン型に比べると多いという批判を受ける材料となる。また,12学級以下の小規模校では,担当分野(教科)数の多い傾向がつかめる。

 表14には示さなかったが,6学級以下の学校の中に,わずか13〜27時間の社会科の授業を3人の教員で他教科の授業とともに担当している学校が4校あった。

表14 担当分野(教科)数と学級数
1
2
3
4
5
6
2
 
 
 
 
 
1
3
 
 
 
2
 
2
4
 
1
 
 
 
 
5
 
 
1
 
1
 
6
 
1
3
1
 
 
7
 
 
2
1
1
 
8
 
1
1
 
 
 
9
 
 
4
2
 
  
10
 
3
1
2
1
1
11
2
2
5
5
 
 

12

1
1
4
3
 
 
13
1
2
 
 
 
 
14
1
2
2
1
 
 
15
2
4
1
2
 
 
16
2
3
2
 
 
 
17
3
1
 
 
 
 
18
 
1
1
1
 
 
19
1
2
2
2
 
 
21
2
4
1
 
 
 
24
5
4
5
2
 
 
26
2
2
 
1
 
 
28
 
3
 
3
 
 
30
2
4
8
2
 
 
35
3
3
 
 
 
 
平均担当分野(教科)数 2.7


 従って,これらの対策には,適正な学校規模と教員の配置がまずあげられるが,この問題は,簡単に決着の得られるものではないのでこれらの実情をふまえ,運営の工夫研究が望まれるところである。幸いにして,この調査にも現われているように,問題を克服し運営している学校の多いことは,研究の手がかりを示唆しているものと思われる。


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