研究紀要第33号 学習指導に関する研究 - 049/092page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

図2

 上のグラフは,このことを示したものであるがこれは,16.5 eV未満のエネルギーをもつ電子は,Ne原子と単なる完全弾性衝突を行うだけであるが,16.5eVの電子はNe原子と完全非弾性衝突をおこなって一挙にエネルギーを失うと考えてこの現象は説明できる。
 つまり,16.5eVのエネルギーは,Ne原子を基底状態から最初の励起状態にするのに要するエネルギーであることを意味している。
 従って,このことからNe原子のもつエネルギーは連続的なものでなく,とびとびの値をとるもものと解釈できる。

3.使用フランク・ヘルツ管の特性

 フランク・ヘルツ管としては,内田製(Ne封入)のものを用いることにした。
 回路の設計上,管の特性を調べる必要がある。
つまり,グリッドG1とカソードKとの間の電圧VG1,グリッドG2とカソードKとの間の電圧VG2ヒーター電流iH,プレート電流ipの四つの量の関係を調べて,それぞれの最も適当な作動電圧電流を定めたい。
 図3に,測定の結果を示す。
 これから判断すると,ヒーター電流は0.68A〜0.70A,グリッドG1とカソードKとの間の電圧が2.2Vの場合が,比較的によい結果が出ることが予想できる。

図3

4.回路の構成

(1) 電源部

各電極の作動電圧を次のように決定する。
@カソードと第一グリッド間の電圧
0〜3V
Aカソードと第二グリッド間の電圧
0〜90V
B陽極と第二グリッド間の電圧
0〜−7V
Cまた,ヒーター電流は
0.7A
 なお,OPアンプを駆動する電源としては,簡単に,006pを2こ用いることにした。
 これで充分であるが,前記PC7の電源回路を組み込んでもよい。

(2) 増巾部

 μA741を一つ用いた簡単な増巾回路でも充分に成巧する。
(図4)
図4

@電圧利得は,

R1=100Ω,R2=50KΩとすれば
A≒500


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。
福島県教育センターの許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。