研究紀要第33号 学習指導に関する研究 - 069/092page
写真−14の左側は,テーブルタップの内部を改造して,ダイオードを取りつけたものである。中央のものは,切り替えスイッチを使用したものであり,右側のものは,切り替えスイッチのかわりに,こて先がのる部分を,自動切り替えスイッチとして作用するように工作し,電力をコントロールしようとしたものである。
(2) テーブルタップの改造
2口のテーブルタップを,図−13のように,一方の口の片方の導体を金切りのこぎりで切断し,その間にダイオードを入れ,一端をはんだづけしたものである。さらに,テーブルタップのカバーには,一方の口をAC用,ダイオードの入った口をDCプラス,他をマイナスとマジックペンで表示しておく。はんだづけ作業中は,ACの口に,こてのプラグを挿入し,作業中断の場合はDCに挿入する。
この装置は,ダイオード1こさえあれば簡単に改造できるというよい点をもっている。しかし,プラグの抜き挿しに手間がかかり,技術的には幼稚で作業に不便な面が多い。
(3) 切り替えスイッチの採用
図14
図−14は,中間オフ3Pスイッチを使用したものである。短時間はんだづけ作業を中断する場合は,Aに切り替える。この装置は,テーブルタップの改造より,技術的に進んだものである。しかし,スイッチの切り替え→こて先をのせる(あるいはこの逆でもよい。)→スイッチの切り替え→作業開始……という過程を経るのであり,切り替えスイッチの操作に煩わしさが残るのである。
(4) 切り替えスイッチの自動化
図−15は,スイッチの自動化をはかった実体配線図である。
図中のA,B,Cは,切り替え用スイッチの各接点を示したものである。Dは,作業開始前に,はんだごてをのせて,加熱するときに使用するところである。A,B,Dとも,材料は,厚さ0.3mmの燐青銅板を使用している。この材料は,比較的弾性に富み,スイッチとしての機能を果すのに都合好である。また,Cは,外径5mm,首下の長さ28mmのしんちゅうねじを使用した。Cに,ねじを使用したのは,はんだごての重さによって,接点Aの曲げ距離に差異が生じ