研究紀要第33号 学習指導に関する研究 - 085/092page
−中学校−
「クラブに入る前に考えていたこととちがっていた」50%であるが,一般にはほとんどみられず,「ある地区」に集中して多くみられた。また,これらの学校では授業を補うような「英語の文法」「その日の課題」「教科書を重点的に」などをクラブ活動に求めている生徒の姿が目立った。これらのことから,クラブ選択の時期に,事前に,具体的なクラブ内容を紹介・説明するなど,活動内容についての情報を十分に生徒たちへ与えることの必要を痛感する。では,生徒たちは,どのようなことを英語クラブに期待しているのか?調査2(5)から希望の多いもの上位5項目をあげその比率をみた。その結果は,ほぼ男女共通で,半数以上を占めるのは,「もっと広く海外文通をしたい」
と「英会話(の練習)をしたい」の2項目である。
ベスト5(中学校) 男 女
・もっと広く海外文通をしたい
・英会話の練習をしたい
・外人と話をしたい
・タイプライターを使ってみたい
・英語の歌を歌いたい%
29
25
18
15
13 %
35
32
11
11
10
−高等学校−
高等学校では「考えていたこととちがっていた」(71%)と,生徒のクラブに対する期待がどの程度においてはずれたかを明瞭に示している。そしてそのはずれ方がきわめて大きく,不満足である理由にもつながっていく。
クラブの最初の1時間位は,生徒が何を期待して集ってきたのかの話しあいがぜひ必要であることをこの項目の調査は示している。Aあなたはクラブをどのように感じていますか。
中学校 高校
ア.教室で味わうことのできないよさがある イ.クラブのことを考えると気が重くなる ウ.クラブの時間が短い エ.その他
% 56 11 25 8
% 44 36 8 12
−中学校−
自己の能力・適性などをよりよく理解し,個性の伸長をはかるうえで,「教室で味わうことのできない活動」(56%),それこそが重要なのである。また,「クラブの時間が短い」(25%)は,いかに生徒たちが活動に没頭しているかということでもあるが,さらに,イ.(11%)についても顧問教師,クラブメンバー共に,全員がたのしく参加できる手だてを考えなければならない。
−高等学校−
「教室で味わうことのできないよさがある」(44%)と答える生徒数の多い反面,「クラブのことを考えると気が重くなる」(36%)という生徒も決して少なくはない。これをさらにくわしくみると,成功しているクラブと成功していないクラブの差というところにつきあたる。また,生徒の感じ方の違いという要素も見逃がせない。
B あなたのクラブは,下級生がのびのび活動したり,意見がいえるふんい気ですか。
図11 英語クラブのふんい気(中学校)