研究紀要第35号 学習指導に関する研究 - 012/066page

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2 血流の観察

1 準備

ヒヨコ
径10〜15mmの孔をあけたベニヤ板
留針,ゴムひも,脱脂綿,顕微鏡
エチルエーテル

2 方法

(1) ヒヨコをエチルエーテルで軽く麻酔する。
 あまり強く麻酔すると心臓が弱ってはく動がなくなり,血流が見られなくなるから注意する。

(2) 写真−1のように,ベニヤ板に,ヒヨコの腹を上にしてのせ,まず,首と両脚をゴムひもで押さえ,つぎに翼をひろげてからゴムひもをかけてしっかり固定する。

写真−1 ヒヨコの固定
写真−1 ヒヨコの固定

(3) 図−1のように,翼のつけねの部分が,ベニヤ板の小孔の上にくるようにし,上腕骨の上部の皮膚の膜を充分ひろげて,留針で固定する。
 その際,針は45゜くらい斜めに刺した方が検鏡に都合がよい。
 皮膚の膜の部分には,羽毛が生えているので,あらかじめその部分を脱毛して,水を少しつけておくと,反射光の透過が割合よいので検鏡しやすい。

図−1 ヒヨコの翼の膜の血流観察
図−1 ヒヨコの翼の膜の血流観察

(4) ヒヨコを固定したままベニヤ板を顕微鏡の載物台(ステージ)にのせる。その際,小孔の皮膚の膜の部分が対物レンズの真下になりにくい時は載物台と同じ高さの台をそばに置いて,べニヤ板をその上にずらせると大変便利である。(写真−2)

写真−2 検鏡の方法
写真−2 検鏡の方法

(5) 観察には低倍率(100〜150倍)で検鏡する。実験中に麻酔が切れてヒヨコが動いて検鏡しにくくなったら,エチルエーテルを浸した脱脂綿を,ヒヨコのくちばしにある外鼻孔にあて麻酔する。(写真−3)

写真−3 麻酔の方法
写真−3 麻酔の方法

 

3 結果と考察

 写真−4(皮膚の膜が厚く透過光少なく不鮮明なので図−2に描画)のようにたくさんの血球が列をなしていろいろな方向に流れているのがわかる。
 血液が枝分れしてだんだん細くなっていく方向に流れている血管が動脈である。これと逆に,血液がだんだん集まってきて太くなっていく方向に流れている血管が静脈である。(図−3)

 さらに,血管内での血流の様子を調べてみると動脈内の血液は心臓のはく動につれてリズムをもって速やかに流れるのに対し,静脈内の血液は,だいたい一様の速さで流れていることがわかり,動脈と静脈を区別することができる。
 毛細血管が細くなっているところは,その中を血球が一列になって転がるように流れていくのが


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