研究紀要第35号 学習指導に関する研究 - 013/066page

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見られる。

写真‐4 図‐2 図‐3

 メダカの尾ひれや,カエルのみずかきの血流の観察には,尾ひれやみずかきが乾燥しないように時々水をかけてやる必要があり,載物台を濡らす危険性が多い。また,メダカはすぐに弱ってしまって血流が止まってしまうことが多い。

 それに対してヒヨコの血流観察には,水をかけてやる作業もなく,麻酔が切れても固定がしっかりしていれば,検鏡には何ら支障なく,長時間観察することができるので大変都合がよい。

 ただ,ふ化直後のヒヨコでは,まだ翼が発達せず,羽根も生えないので,皮膚の膜の部分もせまく血流の観察がしにくいが,ふ化して10日ぐらい過ぎると羽根も生え揃ってくるので,皮膚の膜の部分が広くなって検鏡しやすくなる。しかしヒヨコが成長して大きくなってくると,載物台にのせることも大変で,翼の皮膚の膜も厚くなって反射光が透過できなくなるので検鏡に困難をきたす。したがって,血流の観察には,ふ化2〜3週間ぐらいのヒヨコが適当であると考えられる。

 恐らく,初めて血流の観察をする児童生徒は,たくさんの血球が次から次へと行列をなして静かに,あるいはダイナミックに流れていく様子に感動させられるであろう。そうして流れている血球の大きさ・数はどの位あるのだろうかと興昧をもつに違いない。

 

3 血球の観察

1 準備

 ヒヨコ
 脱脂綿,ピンセット,針,ろ紙,スライドガス,カバーガラス,ビーカー,スポイト
 接眼・対物ミクロメーター
 70%・90%・100%アルコール,メチルアルコール,生理的食塩水(0.9%食塩水)
 メチレン青水溶液(メチレン青1g+90%アルコール100ml)
 エオシンアルコール溶液(エオシン1g+90%アルコール100ml)
 キシロール,カナダバルサム

2 方法

(1) 採血

 図−1の翼の内側のつけねの部分を,70%アルコールで消毒する。接骨と尺骨の間に血管が走っているので,太い血管に針を刺して血液を採り出す。

(2) 一時プレパラートによる観察

 @ きれいなスライドガラスの上に,生理的食塩水を1滴おとす。
 A 上記の方法で採り出した血液を1滴スライドガラスの上の生理的食塩水に混ぜ,カバーガラスをかけて検鏡する。

(3) 永久プレパラートによる観察

 @ 塗まつ

図−4 塗まつの仕方
図−4 塗まつの仕方

 上記の方法で採り出した血液をカバーガラスの一端につけてから図−4の矢印の方向に,


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