研究紀要第35号 学習指導に関する研究 - 033/066page

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 これも,前記(1)の場合と同様に,予想値4.06mmに比較してかなり小さい。
 これはGM 管や空気による吸収のほかに線源を収めたカプセルの窓物質による吸収が加わる。

図6 Agによるβ線の吸収

●Fe,Cu についても最大飛程を求めると次表の結果が得られ,原子番号に関係することがわかる。

吸収物質
原子番号
最大飛程mm
A
13
2.9
Fe
26
0.95
Cu
29
0.65

(3) β 線の後方散乱に関する実験

@ 線源

 この実験の理想的な線源としては,吸収,散乱が起らないように線源をマイラーの間にはさんだものが望まれる。
この種の市販品としてはTL204がある。
密封線源を利用することもできるが,この場合は図7のように線源を斜めに設置するため,正確な180°方向の後方散乱を測定することにならない悩みがある。

図7 図8 後方散乱実験用につくった線源

 ここでは,この実験のために特別につくってもらった線源を用いる。
 これは,図8に示すようにSr90を2枚のマイラーの間にはさんだものである。

A 装置

 前記の実験で用いた理振規格品と自作の測定台で充分であるが,ここではKOBE KOGYO製のGM 管PC−50を用いた実験を紹介する。
 また,測定台は図9に示すような,これもKOBE KOGYO製のものを用いる。
  (この種の測定台は,理科教材メーカーからも吸収板セット付きで売り出されている。)
同じく,吸収板も同社製のEA−21を使用。


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