研究紀要第35号 学習指導に関する研究 - 060/066page

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 小学校,中学校で8〜10校に1校,高等学校,特殊学校では15校に1校の割合で教育機器に関する研究主題を設定していることになる。
 また,教育機器を取り入れた研究主題を分析すると,教育機器を用いて次のことをめざしているのがわかる

 ○教育機器(視聴覚教材)の効果的な活用
 ○指導(学習)の効率を高める
 ○学習指導法の改善
 ○ひとりひとりに学習を成立させる
 ○わかる授業を展開する
 ○学習過程の改善
 ○豊かな人間形成をめざす
 ○その他
24校
18校
16校
 7校
 3校
 2校
 2校
12校

 最も多い「教育機器の効果的な活用」は具体性に欠け,機器のはたらきを明確にしていないが,指導法の改善のために教育機器を導入しようとしているものと思われる。
 そして,研究に取り入れられている機器は次の通りである。

OHP
VTR
反応分析装置
テレビ受像機
シート式録音機
51校
18
12
10
9
スライド映写機
テープレコーダー
映写機
ラジオ受信機
全機種
7校
6
5
3
20
 ※同一校で2機種以上もある。

 OHP・VTR・反応分析装置の利用が目立つが,機種を指定しないで,全機種を対象とし,機器の特性を生かして取り入れるというのも多い。

(4) 教育機器についての教職員の校外での研修経験

 (1),(2)で校内研修についてふれたが,教育機器関係の校外での研修の機会も割合に多い。
 〈表20〉は教育センターで実施している教育工学講座と市町村教育委員会で主催している教育機器に関する講習会等でのこれまでの受講者と受講率を示したものである。

 教育工学講座についてみると,小学校,中学校では受講率が約8%で12入に1人の割合で,高等学校は17人に1人,特殊学校では80人に1人の割合で受講している。

〈表20〉 教育機器の講習会受講者数

主催\項目\性別\学校
県教育センター
市町村教委会
受講者数
受講率
受講者数
受講率


465人
15.9%
640人
21.9%

65

1.7

573
14.7
530
平均 7.8
1,213
17.8


340
11.4
404
13.6
17
1.2
166
12.1
357
8.2
570
13.1



206
6.3
 
6
1.1
212
5.9




4
2.1
1
0.5
5
1.3
  ※ 受講率=受講者数÷教職員数×100

 また,受講者数を1校あたりで単純に算出すると,小学校はほぼ1校に1人,中学校は1.4人,高等学校は2.4人,特殊学校では0.3人の割合になる。

 小学校,中学校では市町村教育委員会による講習会への参加者も多く,小学校は5人に1人,中学校では8人に1人が受講している。
 このほか小学校教育研究会(小教研),視聴覚教育研究会などの自主的研究団体によるものや,財団法人による講習会なども数多くあり,かなりの数の教職員が何らかのかたちで研修経験をもっているものと思われる。

4 教育機器利用上の問題点

 今回の調査では問題になると思われる項目を列記し,これらの中から,それぞれの学校において当面問題点としてあげられるものを5つ選択する方法を用いた。
 小学校・中学校・高等学校・特殊学校のものを合わせて集計した結果はつぎのとおりである。

 準備に時間がかかる(機器,自作教材)70.5%


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