研究紀要36号 学校経営改善に関する研究 学校経営評価に関する研究 (第1年次) - 005/022page
てきた。しかし,それらが今,学校経営の実際に活用されているとはいいがたい。そこで,全国的に見ても学校現場に影響を与えたと思われる次の三つの評価基準をとりあげ,評価の目的,評価の主体,評価領域,評価方法等から,それぞれの持つ課題や問題点を探り,学校経営評価のあり方を考える資料を得ようと思う。
@ 文部省「中学校・高等学校学校評価の基準と手引(試案)」昭和26年
A 東京都教育委員会「学校評価基準」(学校評価基準と手引き)昭和41年
B 学校経営コンサルティング研究会「学校経営のチェック・リスト」昭和37年表1 三つの学校経営評価基準の比較
文部省「中学校・高等学校学校評価の基準と手引(試案)」 東京都教育委員会「学校評価基準」(学校評価基準と手引き) 学校経営コンサルティング研究会「学校経営のチェック・リスト」 評
価
の
日
的「本書は,学校という現場の実情に即してこれを整理し,中学校・高等学校がその機能を満足に果たすためには,各学校はどのような基準に合うべきものであるかを明らかにする目的をもって作られた。」「本書は,教育委員会が,管下の学校の実態をいっそう充実改善しようとする場合に,これを援助するために作成された。学校はこれによって,自校の教育の実態を詳細に検討して,その長所と弱点とをつきとめ,いっそう成長し,改善するための確固たる足場をつかむことができたであろう。」(序文) 「本書は,東京都の公立中学校が,それぞれ自校の教育の実態を,は握・評価し,改善するための手がかりとして使用することを期待して作成したもので,自己評価の立場をとっている。したがって,本書は,自校についてその実態をは握し,問題点を発見して,その改善に役立てるためのものである。」
(学校評価基準作成の方針1.作成の基本的態度)「学校経営の実践を,科学的合理的に行い,経営の近代化を促進するために,経営診断にもとづき,経営上の改善点をは握するためである。」
(菊田要「チェック・リストによる学校経営診断のすすめ」“総合教育技術”昭39.7月号)「この自己診断としてのチェック・リストにより,全校的に全職員が主体的に参加し,改善策が講ぜられるならば,その過程の中で学校経営の近代化が創造的・積極的に達成されていくと思う。」
(「チェック・リストによる学校治営診断の手引き」“総合教育技術”昭38.11月号) 評
価
の
主
体「学校評価は,まず学校自体による自己評価を主体とすべきである。」
「学校評価については,学校の自己評価を奨励し,また自ら訪問委員会を構成するなど,おそらく,すべての教育委員「一校の教育の向上をはかることは,校長を中心とした全教職員の責務であり,本書では,評価の主体は,校長・教職員においている。」 経営の近代化は,教師自らが,主体的に行うことを要望する。従って,主体性,創造性,計画性などは,経営参加の根本態度である。
かかる観点から,評価宅体は,あくまでもその学校の教