研究紀要36号 学校経営改善に関する研究 学校経営評価に関する研究 (第1年次) - 010/022page
目的領域として4項目を設定した。目的領域のそれぞれには2〜3の目的内容(選択肢)を示し,その10個の目的内容(選択肢)から4項目以内を選択する方法をとった。表3の○印及び◎印(特に重要視している目的内容)は,その選択の結果を示すものである。●印は,選択した四つの目的内容のほかに,学校経営評価による効果を期待しているという強調のあったものである。
〈要点1〉 学校で実施されている学校経営評価は,三つの類型にまとめることができる。
● 類型T
教育目標の具現につながる教育活動に重点を置いた学校経営評価
(表3の目的領域1に関連)
● 類型U
教育活動を支援促進するいわゆる経営活動に重点を置いた学校経営評価
(表3の目的領域V,Wに関連)
● 類型V
学校経営の全領域にわたって,総合的に,または均等にとらえようとする学校経営評価(表3の目的領域T,V,Wに関連)表4 経営評価についての重点の傾向
−面接調査,評価計画・基準の序文等で明らかになった傾向−
校
名 A
小 B
小 C
小 D
小 E
小 F
小 A
中 B
中 C
中 D
中 経
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動
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評
価要点1は,表3の内容と表4に示す「学校経営評価についての重点の傾向」-面接調査及び計画・基準の序文等で明らかになった傾向をもとに類型化を,試みたものである。
〈要点2〉 教育目標の具現に関わる到達状況の評価を,学校経営評価実施のねらいとしている。
表5は,要点1で述べた「学校経営評価の類型」をもとに整理しなおしたものである。
表5 学校経営評価の類型と目的
評価目的による類型 T型 U
型 V型 学 校 名 A
小 C
小 E
小 F
小 B
中 D
中 B
小 D
小 A
中 C
中 経
営
評
価
の
目
的
領
域T 教育目標の
到達状況 1(選択肢) ○ ◎ ○ ○ ○ ◎ ◎ ○ 2 ◎ ○ ○ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ 3 ○ ◎ ○ ○ ○ ○U 経営計画の
理解の確認 4 5 6 ○V 経営組織と
………… 7 ○ ○ ○ 8 ◎ ○ ○W 教職員の
………… 9 ○ ○ ● ○ 10 ○ ○ ○ ○ ○ ●要点2は,学校が教育目標の具現をめざしてH常の教育活動を営んでいることからいえば当然のことであるが,具体化された教育目標がどの程度達成されたかをチェックする機能を経営評価に求めているということができよう。この具体化された教育目標を具体目標といってもよい。学校経営評価は,「教育目標の設定とその構造化のための実践的,具体的な資料として重要なものとなる。」※13という牧 昌兄氏に対応するものであり,評価→計画の経営のサイクルを十分理解しての実態であると見ることができよう。
〈要点3〉 学校経営評価のねらいには,「経営組織と機能の発揮」への期待がある。
要点1で示した「類型U経営活動に重点をおいた学校経営評価」「類型田総合的にとら