研究紀要36号 学校経営改善に関する研究 学校経営評価に関する研究 (第1年次) - 021/022page
〈実施のときの障害や問題点〉
@ 学校経営評価についての理解,態度に関するもの
○ 教職員の価値観の多様性
○ 学校経営評価についての理解不足
● 必要性 ● 効果A 学校経営評価の内容,方法に関するもの
○ 自校の実態にあった評価方法の開発
○ 客観性のある評定尺度の設定
○ 評価処理の方法,要領
○ 評価基準の作成B 時間が不足
○ 教頭,教務等の校務多忙
○ 協議等の時問不足〈要点16〉 学校経営評価の効果を高めるためには,教職員の学校経営評価についての理解が必要である。
〈要点17〉 自校化できる学校経営評価の基本構想,または,原型としての評価試案が要望されている。
〈要点18〉 学校経営評価のための容観性のある評定尺度の開発が要望されている。
X.研究のまとめと今後の課題1.研究のまとめ
学校経営の概念および学校経営評価の理論概要については,文献をもとに資料紹介をかねてその大要を述べた,ここでは,学校経営評価の事例調査の結果についてまとめる。
学校経営評価の事例と考察において〈要点〉として示したものは,今回の調査研究から得たものである。要点の18の項目は,傾向を示すもの,実態として認められるもの,研究の前提となるもの,方向を示すもの,研究上の小課題となるもの等多様な意昧をもったものである。
問題検討の便宣上,一括しておく。〈要点1〉 学校で実施されている学校経営評価は,3つの類型にまとめることができる。
〈要点2〉 教育目標の具現に関わる到達状況の評価を,学校経営評価実施のねらいとしている。
〈要点3〉 学校経営評価のねらいには,経営組織と機能の発揮への期待がある。
〈要点4〉 学校経営評価計画の審議・検討の過程は多様であるが,計画作成の方式は3つに類型化できる。
〈要点5〉 学校規模,職員組織の実態によって,学校経営評価計画の設定手順が異なる。
〈要点6〉 職員会の審議(総括評価)にかかる過程で,委員会等の調整・検討(調整・組織評価)を行っている。
〈要点7〉 学校経営評価の領域区分は多様でその内容も複雑,多岐にわたっている。
〈要点8〉 学校経営評価は,教育活動に関する評価と経営活動に関する評価の両面から行われている。
〈要点9〉 学校経営評価の方法は,評価基準設定によるか,文章記述方式か,両者の併用で実施されている。
〈要点10〉 評価基準あるいは評定尺度の設定と評価(評定)の客観化には不安材料を含んでいる。
〈要点11〉 学校経営評価は,基礎評価と総括評価から行われ,教職員は両者に参加している。
〈要点12〉 学校経営評価は,基礎評価,総括評価のほか,学校の実態によってその中問における評価(調整・機能評価)がある。
〈要点13〉 学校経営評価における基礎評価,総括評価,調整・機能評価のそれぞれのもつ意昧と評価内容,方法の検討が必要である。
〈要点14〉 評価委員会等の総括評価前における評価活動(調整・機能評価)がある場合の総括評価(年度末評価)は11月より始まる。
〈要点15〉 学校経営評価の評価活動は,年間を通じて行われる。