研究紀要第37号 登校拒否に関する研究 - 003/022page

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○ 高木隆郎氏外 「学校恐怖症の典型像(1)」

 @ 第1期 心身症的時期
  小学校高学年から中学校にかけて,男子に多い登校拒否である。
  ある朝,突然に頭痛や腹痛等の心身症を訴えて登校をためらう。親はその病気を理由として学校を休ませる。しかし,お昼ごろになると,元気を取り戻すので,母親も安心する。翌日もまた同じことをくり返す。

 A 第2期 攻撃的時期
  学校恐怖症が出そろう時期で,親の不安,子どもに対する責任が,子どもへの登校の圧力に変わる。
  ・子どもは強く抵抗する。(ふとんをかぶって出てこない。便所に入って出てこない。食卓をひっくり返す)
  ・法外な高価な物品を要求し,「それを買ってくれるならば学校に行ってやる」という態度をとる。
  ・登校を強制される登校時刻に,もっとも激しく抵抗したり,暴れたりする。

 B 第3期 自閉(内閉)的時期
  親も学校のことを口にすることを避けるので,ある程度の表面的な安定を取り戻す。
  ・自室に閉じこもり,家族の者と一切口をきかなくなる。
  ・自閉的状態(いわゆる「自閉症」とは異なり,自分のからに閉じこもる)になり,精神的に退行し,幼児のようにつまらないものを集めたり,終日,無為・無感動に過ごす。

○ 鑛(やすり)幹八郎氏 「学校恐怖症の研究」

 @ 第1段階 単純な反応の段階 (幼稚園〜小学校低学年)
  いままで保護されていた環境から,幼稚園,小学校への移行がスムーズにいかないで,以前の親子関係や家庭に逃避する。
 A 第2段 階合理化・理由づけの段階 (小学校・中学校を中心に全学年)
  登校拒否の理由を,「宿題をしていない」,「給食がいや」,「頭痛」,「腹痛」など,学校状況や身体状況に結びつけてのべるものであるが,その理由づけは,ただ登校を拒否したいものであることが容易にわかるものである。
 B 第3段階 強迫・不安の段階 (小学校中学年〜中学校)
  典型的な学校恐怖症を示す時期(登校しなければならないという気持ちと,反面,登校に対する統御ができない不安とのかっ藤がみられる。
  ・外は一歩も出ない。
  ・登校を促されたりすると,パニック状態に陥る。
  ・保護者を殴る,ける。
  ・障子や窓ガラス等を壊す。
  ・家具を壊す。

 C 第4段階 高度の合理化,理由づけの段階 (中学校〜高等学校)
  論理に一貫性がみられ,「人生は無意味である。生きているのは自分の好きなことができるからである」といったような,知的な理由づけがみられる。

○ 平井信義氏 「学校嫌い」

 @ 第1期
  ・家の人が付き添ったり,先生や友だちがむかえに行くと登校する。
  ・前夜,学校の支度をしたり,その朝も玄関までは出るが,敷居をまたぐことをしないで引き返す。
  ・本人の希望するおもちゃなどを買い与えると,その当座は,何日か登校する。

 A 第2期
  ・朝は起きなくなり,起床を促すと,それにひどく抵抗する。
  ・起床時刻が次第に遅くなり,昼ごろまで寝ているようになる。
  ・起きている問は,自分の好きな遊びをしたり,趣味に属することなどを熱心にやる。
  ・学校の話をすると,不快の情を示したり,


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