研究紀要第38号 学習指導に関する研究 - 018/081page
慣れがでてくれば,暗示に対して,理性的に判断する構えが低くなってくる。そうすると,暗示内容が,抵抗なく,すんなりと,生徒に受け入れられるようになる。このためには,生徒にとって,よく理解できる言葉をくり返すことが必要であろう。
ウ 自分自身にかける暗示
生徒自身が,自分で暗示をかける方法である。「気持ちがおちつくために」にのべた,腹式深呼吸によって,心身をリラックスさせた後,次のように,3段階に分けて,心の中で唱えることにより,暗示効果をねらうものである。・とても気楽に勉強に取り組むことができる。
・勉強に取り組むと,頭がすっきりして,もりもり,学習意欲がわいてくる。
・困難な問題があっても,ますます,張り合いがでてきて,解決の鍵が見つかり,楽しく勉強ができる。6.授業場面における暗示の例
実際の授業場面において,効果的な暗示はどんなものが考えられるか,実技をともなう教科,科目の学習指導案をとおしてのべることにする。
事務機械学習指導案
1.単元名 カナ・タイプライター
2.単元設定の理由
近年,産業経済界をはじめとし,社会の各分野において,事務を合理的に処理するため,各種の事務機械が導入され,これが普及してきている。その利用範囲も,事務上の単純な個々の作業から,複合的な作業や,判断的な仕事の面にまで拡大されてきている。なかでも,カナ・タイプライターは,単能的事務機械操作の基本を習得でき,事務機械の入門としてふさわしいものと考える。このことから,カナ・タイプライターの機能と操作を中心に学習させることが,将来,複合機械の機能および操作につながるので,適切な題材として設定した。3.単元の目標
(1) 単能的な事務機械の代表である,カナ・タイプライターの機能を理解させ,操作技術を習得させる。
(2) カナ・タイプライターの操作をとおして,機械化された事務の流れをは握させる。4.指導計画 総時間数35時間
(1) カナ・タイブライターの基礎知識 …………… 2時間(2) カナ・タイブライターの基礎技術 …………… 16時間@ ガイドキーの打ち方 …………… (1時間)………本時 A 「キク」の打ち方 …………… (1時間)B 「カスイテタンナニラリ」の打ち方 …………… (2時間)C 「コヒヲサツミネルー」の打ち方 …………… (2時間)D 「オエウアフヤユヨワホ」の打ち方 …………… (2時間)E 「ケヘソセムナヌロ」の打ち方 …………… (2時間)F 文字の組み合わせ …………… (2時間)G 数字と符号 …………… (4時間)