研究紀要第38号 学習指導に関する研究 - 025/081page
ところで,この( )内の交項級数は,条件Aをみたしているであろうか。もし,みたしていれば,項打ち切りによる誤差の評価がなされる。
( )内の交項級数の第n項と第(n+1)項とをそれぞれUn,Un+1とすれば,
ここで,tは高々4ぐらいまでの値であるから,nをある程度大にすれば,Aの右辺を1より大にすることができる。実際,
t=1,2のときは n≧1で
t=3のときは n≧4で
t=4のときは n≧7で} ……B Aの右辺は1より大になり,条件Aをみたすことがわかる。したがって,これらの項以上までの和を取れば,項打ち切り誤差の評価ができるから,あらかじめ項打ち切り誤差の大きさεを決めておけば,その大きさが,εより小になる項(かりにUn+1とする)の一つ手前の項(Un)まで,この級数を計算すればよいことになる。
なお,計算に際しては,次の漸化式
を用いて,次々に項を求めるプログラムをつくり,項打ち切り誤差が,εより小になる項(Un+1)の一手前の項(Un)までこの級数を計算するようにした。
(表9−1)は,t=1(S)から,1(S)きざみで4(S)まで,おのおのの場合の項打ち切り誤差が10 −10(S)より小になるまで各項を計算して,最終的にその和(確率)p(t)を求めたものである。
@の□内の三段重ねの数字のB◇は,t=1