研究紀要第38号 学習指導に関する研究 - 026/081page
のときを示し,F◇は,(項打ち切り誤差が10−10より小になるのは第(10+1)項目から,すなわち)この級数の第10項までの和を求めたことを示し,A◇は,その和(確率)が0.3413447460であることを示している。□の上の10段重ねの数字(C◇)は,t=1としたときの@の( )の中の第1項から第10項までの値を計算させたものである。この表の@〜Cをみると,これらの結果はすでにBで調べたとおりになっている。たとえば,Cでは,たしかに第7項からあとの項では,条件Aをみたしていることがわかる。
(表9−2)は,t=0.1(S)から,0.1(S)きざみで3(S)まで,項打ち切りによる誤差が10−10より小になるようにして計算したものである。三段重ねの数字B◇,F◇,A◇は,上で説明した数字と全く同じ意味のものである。すなわち,B◇はtの値を示し,F◇は項打ち切り誤差を考えて計算した項の数,A◇はその和(確率)を示している。
ところで,電卓オリベッティP602では,小数点以下15桁目から下は切り捨てになるので,この表の数値には,この切り捨てによる誤差もかかわってくるが,それらは,ごく小さいものと考えられる。実際,この表の数値と,参考文献1「統計数値表JSA1972」日本規格協会の数値とくらべると,小数点以下第10位にわずかな違いがあるだけである。
(表9−3)は,上側確率2.5%の点を求める方法を示したものである。これは,まず,この点のtの値を大まかに1.96附近と予想して,1.94から0.01きざみで1.98まで,項打ち切り誤差が10−10より小になるようにして計算して,その結果2.5%点は,1.95と1.96の間にあることがわかった。それで,次には,1.958から0.001きざみで1.960まで計算して,2.5%点は1.959と1.960の間にあることがわかった。以下同様のことをくり返して,この表の終りでは,上側確率2.5%点は1.95996と1.95997の間にあることを示している。このような方法で,上側確率の%点を求めることができる。簡単に,今後この方法を“手さぐり法”ということにする。なお,(表9−3)のプログラムは,(表9−2)の計算結果(確率)から0.5をひき,符号を変えて印刷するようにしたものである。
10.x2(カイ)分布表
さて,確率密度関数fn(x)が
で定義される分布を,自由度nのx2分布という。
したがって,定積分
の値を求めることができれば,“手さぐり法”によって%点も求めることができる。
@において