研究紀要第38号 学習指導に関する研究 - 037/081page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

C 常磐地域に見られるWNW−ESE方向のリニアメント群
 明瞭な3本のリニアメントが見られる。
これらは,上からニッ箭断層,赤井断層,湯の岳断層と呼ばれ,常磐地域の地質構造を支配している。
D 川桁断層
 猪苗代湖東岸から北北西方向に鮮明なリニアメントが見られる。これは,断層崖と猪苗代盆地を境している。この断層は,新第三紀中新世の終わりの造構運動で生じたもので,猪苗代湖の成因に関係している。
E その他のリニアメント
 阿部隈山地の西縁の近くを縦走するリニアメントや,西吾妻や飯豊山地にも数条の,南北方向のリニアメントが観察されている。

(4) 日本列島の地質構造の判読

 図6は,西南日本の主な地域の画像を接着モザイクで示したもので,地質構造を学習する上で,中学校や高校の教科書によく見られる地域である。

 ランドサット画像を用いての学習は,従来の知識理解を重視した学習法と異なり,画像にあらわれている種々の情報であるリニアメントや陰影から,地殻の大きな割れ目(構造線)や,地形の特徴を,また,小さなリニアメントから,その地形を構成している岩質を推察する,いわゆる発見・探究学習法である。

 画像を観察する場合,構造線を境に地質が変わるので,岩質の違いから差別浸食を受けて,地形も異ってきて,画像のリニアメントの模様や陰影のコントラストに明瞭な差が生じてくる。

 そのため,構造線のような大規模な断層は,画像上では,明瞭な陰影の強いリニアメントとして現われてくる特徴を用いて構造線を判読する。

〈実習2〉
 図6は,西南日本の一部を接着モザイクで示したランドサット画像である。四国から紀伊半島,木曽山地にかけて,尾根や谷が方向性をもって配列している様子がよく表われている。
 また,四国山地・紀伊山地・木曽や赤石山地等は,陰影のコントラストも強く,地表が洗濯板のようなパターンを示しているのに対し,中国地方
図6 西南日本のLANDSAT画像(提供:リモートセンシング技術センター)
図6 西南日本のLANDSAT画像(提供:リモートセンシング技術センター)


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。
福島県教育センターの許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。