研究紀要第38号 学習指導に関する研究 - 042/081page
は,鏡下で白っぽく見える湿原をともなった雄国沼が見られる。このカルデラ地形は,地下から多量の溶岩や火山砕屑物,火山泥流等を噴出し,猫魔火山を形成した後で,山頂部が大規模に陥没してでき上った。
2 中央火口丘
カルデラの陥没後も火山活動が続き,陥没壁の割れ目に沿って噴石や溶岩を噴き出し,陥没壁に沿って,いくつかの小さな噴石丘ができた。鏡下では豆つぶのような形の大平,丸山,猫石の噴石丘が観察される。3 外輪山
カルデラ陥没火口壁を取り囲むように,陥没カルデラが形成された後の火山活動で,寄生火山として,猫魔ケ岳,厩岳山,古城峰,二子山,雄国山がそれぞれ噴出して,外輪山として現在の火口壁を形成している。〈実習5〉
図16は,松川浦周辺の空中写真である。松川浦周辺では,海水の作用でつくられた砂州,海食崖,潟湖等,海岸でなければ観察できない地形が観察される。実体鏡を用いて,次の地形を観察せよ。
1 鵜の尾岬や山信田の海食崖
2 砂州(大州)や中州の形とその並び方
3 宇田川や小泉川の川口周辺にできた三角州と潟湖の水深−チェック・ポイント−
松川浦は,潮干狩で親しまれており,海岸特有の地形が観察される。松川浦で見られる地形は,海水のはたらきである波浪による浸食や沿