研究紀要第38号 学習指導に関する研究 - 063/081page

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温度 40℃
時間 洗たく→10分→排水3分→注水2分→すすぎ3分→排水2分→脱水3分→注水2分→すすぎ3分→排水2分→脱水5分 
回数 5回,10回,20回,30回
自然乾燥  

 実験用布は,補充布(天じゅく木綿)に分散させて中央を縫いつけておく。

C 結果及び考察(30回を対象として)
写真5 縫い代の始末と洗たくによるほつれ
写真5 縫い代の始末と洗たくによるほつれ

・ ピンキング切り・ピンキング切りと捨てミシン
 ピンキング切りの始末をしたものについては,ブロードがほつれにくく,ピンキング切りの谷のところでとまっている。
 ギンガムはブロードより4〜8倍のほつれを示し,糸密度の大小がほつれに大きく影響することがわかる。糸密度の小さい,粗い組織は非常にほつれやすい傾向を示す。
 デニムは,写真5でも見られるように直線的なほつれを示し,たて糸で7.5mmになった。
 ピンキング切りと捨てミシンの併用の方は,捨てミシンの効果を見たわけである。
 デニムなどは,20回からミシンの縫い目もはく離しはじめた。デニム・ギンガムのようにほつれやすい布に対しては,ほつれ防止にはならない。ブロードのようにほつれにくい布には不必要である。

・ 捨てミシン・折り端ミシン
 捨てミシンの方は,写真5で見られるように,デニムはミシン縫いの部分が3/4ほどはく離しており,ギンガムは全部はく離してしまう。折り端ミシンは洗たく30回でも全然乱れなく縫いしろの始末として効果的である。

・ ジグザグミシン縫い・ベビーロック縫い
 両方ともに,最も完全度が高く,いずれの布においてもほつれは0に近い。これらの始末の方法は,どんな布目の方向にも簡単に用いられるので,利用範囲も広く,効果的である。

 スモックにおける縫いしろの始末は,ピンキングによる程度である。上記実験によると,ピンキングだけで使用できる布はブロード類だけである。糸密度の大きい,しっかりしたブロード地を選ぶように指導したい。
 2年の題材「スカート」では,デニムの系統がよく用いられるので,端ミシンによる縫い代の始末が適している。

6 スモック製作の指導上の留意点

(えりぐりの始末を例として)
 昭和54年度教育研究法講座に参加された国見町立県北中学校高野佳子先生に依頼して,スモック製作に関する意見を調査していただいた結果は下表の通りである。
調査月日 昭和54年12月10日
調査人員 23名(検証授業を実施した組のみ)


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