研究紀要第38号 学習指導に関する研究 - 064/081page

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(1) スモックを製作した結果について

一番難しかったところはどこでしたか。 そでつけ
そで下とわき縫い
えりぐりの始末
5名
3
18
スモック製作の感想 割合やさしい
普通
少し難しい
3
7
10
出来ばえはどうでしたか。 まあまあよい
普通
あまりよくない
6
14
3
スモック製作学習はどうでしたか。 楽しい方である
普通
10
13

 高野先生の教育研究法講座における研究主題は,「自ら課題を持って意欲的に被服製作に取り組ませる指導」−スモック製作を中心として−であった。
 上記の調査結果によると,製作で一番難しかったところとして,えりぐりの始末をあげている生徒が78%である。そでつけが難しいという印象を生徒たちに与えなかったことについて,高野先生は,検証授業としてそでつけを取り上げ教材研究,資料の研究が行き届いたからだと思われるといっている。

 ここでは,スモック製作における基礎技術の一つである「見返しによる縫い代の始末」についての学習の目標を明確にし,目標行動を設定し,その分析を行い,基礎技術をささえる条件として関連のあるものをあげ,指導資料の1例としてまとめてみた。

(2) えりぐりの始末の学習目標行動の設定

最終目標行動

 えりぐりに見返しを正しくつけることが出来,美しく,じょうぶなえりぐりに仕上げることができる。

第一次下位目標行動

@ 曲線で伸びやすいえりぐりの始末の仕方として,見返しがよいことが指適出来る。
A 見返しのはたらきを指適することが出来る。
B えりぐりに見返しをつけるとき,きれいに仕上げるための方法を指摘することが出来る。

第二次下位目標行動

@ 縫い代の始末の必要性がわかる。
A 布端の始末として見返しがあげられる。
B 見返しをつけると布端が落ち着き,外観をよくすることがわかる。
C 見返しは,布のほつれや伸びを防ぐはたらきのあることがわかる。
D 見返し幅は3cm前後が落ち着きをよくすることがわかる。
E 見返しの縫い代は,かさばらないように0.5cm位にするとよいことがわかる。
F 見返しを返すとき,縫い代がつれないように,切り込みを入れる必要があることがわかる。
G 見返しは,表から見えないように,見返しを0.1cmひかえるとよいことがわかる。
 以上は,生徒の学習後の到達目標であるからここに到達させるための指導法の研究や指導資料の工夫が必要である。次に資料の一例をあげる。

(3) えりぐり縫い代の分量と落ち着き状態

写真6 えりぐり縫い代分量と落ち着き状態
写真6 えりぐり縫い代分量と落ち着き状態

 Aは,見返しの縫い代が0.5cm,Bは1cmに切りそろえたものである。縫い代の多いBは,表に返した場合,えりぐり線が落ち着きが悪い。縫い代の分量は0.5p位に切りそろえた方がえりぐり線がきれいに仕上がる。
 Cは,切り込みを縫い目に直角に1cm間隔


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