研究紀要第39号 授業研究と評価 2-1-2方式の授業研究 - 031/038page

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なものを含んでいます。ただ,ヒント3のように,出だしの音をきちんと合わせ,終わりの音もぴったり合わせるということは,簡単なようで実はなかなかむずかしいですね。音楽は瞬間的な音の処理に,細心の注意が必要で,この曲の場合も,はじめの「ミ」,「ド」,「ラ」の音が音程正しく,しかもバランスよく響かせることは,アンサンブルの基本です。この点もっと練習することが大切ですね。

司会 観点No.4についてまとめてみましょう。

W それぞれヒントを示し,児童の意見を引き出しながら話し合い,アンサンブルをまとめようとするプロセスはよかったと思います。特に,発問のタイミングとそれに対する児童の反応も,かなり具体的であったと思います。

司会 では観点No.5に入ります。

武田 各パートを生かし,調和のとれたアンサンブルにまとめることが,具体目標のBになるわけですが,一音一音ていねいに,しかもレガートで演奏させるように配慮したつもりです。美しいアンサンブルはそれにふさわしい演奏の態度が必要と思い,この点についても本時に限らず注意しています。

 「アンサンブルを録音しましょう。」といわなかったようですが,録音するしないにかかわらず,きちんと演奏させる態度は大切だと思います。

司会 導入時のアンサンブルと比べて,率直な評価はどうでしょうか。

K 主観的な評価になりますが,はじめのアンサンブルは70点,後のは95点につけました。アンサンブルの内容もまとまっていたし,全員が熱心に演奏していた。また録音するしないにかかわらず,同じ態度できちんと演奏しようとする姿は好感がもてました。ブレストコントロールや音色などについて,もっと追求できればさらに美しくなるだろうと期待しています。そう考えますと,本時の具体目標AとBは,90%以上達成されてたとみてよいのではないでしょうか。

   (省   略)

 (5) 指導内容4について

司会 観点No.6,録音を聴いて感想を話し合う場面からはじめたいと思います。

W 録音のときに,自分で好きなパー卜をふかせましたが,再生してみるとバランスでは特に問題はなかったですね。

 子供の感想発表の中でも,録音の結果はほぼ全員が「きれいだった。」という印象をもったようでしたね。好きなパートは,それだけ自信をもって演奏できたと考えていいと思います。

武田 録音を聴いて子供達がだいたい満足してくれたことはよかったと思いますが,音楽の生録音の場合,マイクの位置関係,各パートの位置,たて笛の音色の特性など,技術的な面をもっと勉強しなければならないと思いました。

   (省   略)

司会 自己評価のさせ方についてはいかがですか。

W A-4人,B-24人,C-5人という結果がでましたが,かなり率直な評価であったと思います。しかし,みんなで問題点を出しながら,あのむずかしい「メヌエット」のアンサンブルを,あれだけ美しく演奏できたのですからBと反応した子供も,かなりAに近いものであったと考えられます。また評価後に全員で心をこめてアンサンブルをしましたが,導入時と比べてかなり進歩のあとがみられ,美しいアンサンブルで子供自身も満足できたと思います。ただなん度も話題になったように,指導と練習によっては,さらに美しいアンサンブルになると思います。

   (省   略)

司会 研究主題及び解決策からみて本時の授業はどどうだったでしょうか。

K 音楽の楽しさを感じさせるのに大切なことはまず,子供が主体的に音楽づくりに参加できるようにすることです。の学習意欲を換起するふん囲気づくりからはじまり,の学習の成果を自覚させるまで,子供達が意欲的に音楽学習に参加していて,一応主題にせまった授業であったと思います。今後の研究としては,一斉学習における個々の指導の手だてをどうするかでしょうね。


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