研究紀要40号 事例を通した教育相談のすすめ方 - 009/025page

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表4 親の養育態度と子供の反応

好ましくない
親の態度
子供の反応
疑われる親の態度の原因
望ましい親の養育態度
1
 


積極的拒否型
 罰と虐待
 威 嚇
 屈 辱
消極的拒否型
 無視・置去り・否定
@自分に注意を引くための行動
A愛惰を求める努力
B攻撃的、反抗的、加虐的行動
C異常人格(安定感、罪悪感、忍耐力の欠如)
D発達遅滞(知覚と運動能力の遅滞)
E消極的反応(完全癖、孤立、逃避、白昼夢、転嫁、劣等感、盲従、へ理屈、合理化)
F愛情に対する神経過敏
@経済的負担
A共嫁ぎ
B期待はずれの子ども
C両親の不和、不健康、神経質
D子供の学業不振
E親自身が子供のとき拒否的に扱われた
@拒否的態度を少くする努力
A子供の楽しみや活動に興味をもちともに参加する
B子供と一緒に話しあう時間をもつ
C子供を理解する努力
2
 



A干渉型
 世語やき、先廻り
B不安型
 心配取り越し苦労
Aに対して:@依頼心が強い A引込思案 B孤独 C幼稚 D独創性の欠如 E責任感がうすい F無器用 G集団生活に不適応
Bに対して:@身体虚弱 A神経過敏 B潔癖 C不安 D忍耐力の欠如
@子供の身体的、精神的発達障害(身体虚弱、肢体不自由、精薄、盲、ろう等)
A家族構成(一人っ子、長子、末子、おばあちゃん子、女中っ子、女の子ばかりの中の男の子等)
Bのろま子供
C何年ぶりかで生まれた子、難産して生んだ子、先に子供を流産又は死亡させた場合
@過保護にならぬ努力
A子供に適当な要求をする、子供の成長の速さ、程度、特質を考えて適当な要求をする。赤ん坊扱いせず自分のことは自分でやらせ役割を与えて責任をもって行動させる。
B社会的接触の機会を与える(保育所、幼稚園)
C子供を尊重することと、わがままさせることの区別を知る
3
 



A厳格(権威)型
 命令、禁止、独裁非難
B期待型
 a野心投影型
 b依存型
Aに対して:@服従的、従順、行儀がよい A自主性、独創性、主体性の欠如 B大人の顔色をうかがう C面従背反、かげひなた D劣等感−権力には卑屈、弱者にはごうまん E不適当感、混乱感、当惑感 F内向的、暗い表情 G反抗的行動
Bに対して:@逃避的−空想、家出、不良化、自殺 A子供らしさの喪失 B不安、いらいら、あせり C満足感、成功感の欠如 D無感動、消極的
@子供に対する要求があまり多く且つ高すぎる
A親の果たし得なかった野心を子供におしつける
B家名や伝統、親の権威のために子供を犠性にするような封建的社会の親
C母親(父親)が子供を甘やかすので父親(母親)が特にきびしくしつける
D劣等感、虚栄心の強い親
@禁止よりも静かな統制
A子供の自主的解決を重んじる
B子供の立場で話しあい問題解決に当る
C大人の尺度で子供の行動を評価しない
D子供の自由の尊重、民主的解決
4
 


溺愛→献身→服従
 盲愛、甘やかし
 極端な子供本位
@情緒的発達遅滞、幼児的退行的 A自己中心的、わがまま B自己制御困難 C内べんけい、引込思案 D目的のために手段を選ばない E日課や規則が守れない Fだらしない G無責任 H忍耐力欠如 I友だちに対してイバル、ボスになる、気どりや、傍若無人 J性的早熟 Kフラストレーショントレランス(欲求不満、忍耐力が低い) Lあつかましく無作法 @親の要求不満を子供によって補っている A夫とうまくゆかない妻(愛情代償) B子供にきびしい夫をもつ妻(補償) C他の家族から拒否されている母親 D配偶者を失った片親 E姑と対立する嫁、封建的家庭 F子供の大病、けが、虚弱 G情緒不安定の親 H子供のとき親から愛情をかけらなかった母(父) @甘やかし溺愛を止める
A筋を正し、子供の言いなりにならぬ
B規律を守らせる
C子供をなぐさみもの、おもちゃにしない
D家庭の民主化
E両親の精神衛生
5
 





A矛盾型
 気分本位、一貫性の欠如
B不一致型
 親や家族の態度の不一致
Aに対して:@情緒不安→恐怖、警戒落つきがない、さいぎ心、イライラ、かんしゃく A反社会的傾向→不良化 B劣等感、オドオド C反抗的である Dチック
Bに対して:@両親に対して異なる態度をとる A片親に甘える B男の子が女らしく、女の子はお転婆 C正しい道徳的判断が養われない
A:親自身が情緒不安定(気分本位)神経症的傾向をもつ、不健康である。
B:両親が異ったしつけをうけている、夫婦間の不和、感情的対立によるしつけ方の不一致
@しつけの一貫性
A両親、家族の子供に対す教育方針が一致する。
B両親の精神衛生、待に情緒の安定を計る
C夫婦親和、家庭明朗

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