研究紀要40号 事例を通した教育相談のすすめ方 - 010/025page

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6 面接のしかた

(1) カウンセラーの基本的態度

 心理療法的カウンセリングの発達に寄与した、ロジャーズは、「クライエントの人格が健全な方向へ変化するのに必要なのは、セラピスト(治療者)のカウンセリング理論や、カウンセリングの技術、カウンセリングの学派などではない。それはクライエントに対するセラピストの態度である。

 セラピストの態度によって、クライエントはよくもなったり、わるくもなったりする。この場合の態度とは、@人間的な誠実な態度(自己一致)、A無条件積極的尊重(受容)、B共感的理解である。この三つの態度で接すれば、クライエントの人格は必ず健全な方向へ変化していく」と言っている。

 この言葉からわかるように、カウンセリングにもさまざまな立場があるが、どの立場であろうとも、その中心をなすものは、相手の言葉を、相手の使っている意味において、理解しようとする態度であるということができよう。

(2) 基本的態度のチェックリスト

 カウンセリングにおける基本的態度は、実際の場面において生きて働かなければ意味がない。そのために、以下のようなチェックリストにより評価し、反省してみるのがよい。

@ 自己一致の調査(○印:よい ×印:よくない)

 ○ 先生は、私が本当のことをききたいと思っている時は、言ってくれる。
 ○ 先生は、自分の気持ちがどんな時でも私に接する態度が変わらない。
 ○ 先生の話は、信頼できる。
 ○ 先生は、自分の気持ちをごまかさないで、話をしてくれる。
 ○ 先生は、私に正直に話をしてくれる。
 × 先生は無理に我慢して私の話をきいているだけだ。
 × 先生は、私の話を大げさだと受けとっている。
 × 先生は、私に好意をもっているようなふりをしている。
 × 先生は、私にかまわず、自分の感情を出しすぎる。
 × 先生は、私に対して色めがねを通して見ている。

A 受容の調査

 ○ 私は、子供についも暖かく接している。
 ○ 私は、子供の気持ちがどうあろうと、態度に変わりはない。
 ○ 私は、子供を他人と比較して見ていない。
 ○ 私は、子供を信ずることができる。
 ○ 私は、子供の問題を本当に考えている。
 × 私は、子供を障害者としか見ていない。
 × 私は、子供を自分の考えどおりにしようと思っている。
 × 私は、子供を軽べつしているようだ。
 × 私は、子供に自分の意見を押しつけているようだ。
 × 私は、子供について、その時によって気持ちが変わるようだ。

B 共感的理解の調査

 ○ 私は、子供の気持ちをそのまま感じている。
 ○ 私は、子供が口で言えないような気持ちでも理解できる。
 ○ 私は、子供の発言がよくわかる。
 ○ 私の気持ちは、子供に通じている。
 ○ 私は、子供の立場から考えられる。
 × 私は、子供にぴったりした話をしていない。
 × 私は、子供のものの見方がわからない。
 × 私は、子供の言うことを、時に違った意味に解釈している。
 × 私は、子供を自分の立場で解釈している。
 × 私は、子供を物指にあてはめて見ている。

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