研究紀要40号 事例を通した教育相談のすすめ方 - 011/025page

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(3) 面接のすすめ方

 面接にあたっては、技術や形式にとらわれないことが大切である。次に、一般的なすすめ方の例を示すことにする。

@ 導 入

 ア あたたかく迎え、場面構成をする。
「○○君、いらっしゃい。どうぞ、いすにかけなさい。今、ちょうど3時ですすから、3時50分まで、○○君とゆっくりしたいと思います。……(どんなことでも遠慮なく自由に話していいですよ。まあ、暴力だけは困るけどね。……何か、○○君の問題っていうか、……今、君の考えていることについて、一緒に考えていきたいと思うんです。まあ、手助けになればよいし、何か役に立ちたいっていう気持ちなんだがね。……どう時間を使っても結構です。……遠慮なく、自由にどうぞ」

A 進行中

 ア 自由に表現させる。
○ 自由に話し出す場合
 「そこのところを、もっと詳しく話してくれませんか」とリードする。
○ 沈黙している場合
 ふんいきづくり(健康、家庭のことなど身近な共通話題を取りあげる)をする。

 イ よく聴き、理解する。
○ 話し始めたら、共感的理解に努める。
 ● 受 容
 子供の感情・態度をあるがままに受け入れたことを表現する。
 「はあ」「うん」「なるほど」……… 
 ● くり返し
 子供の言った雷葉・内容をそのままの言葉でくり返してやる。
 ・ 感情の明瞭化
 子供が適確に表現できないでいる感情を意識化し、簡潔に言ってやる。
 ● 要 約
 まわりくどく述べられた内容を整理しまとめてやる。

 ウ 真の問題を見ぬいて反応してやる。
 あたりさわりのない「見せかけの問題」を話して、「真の問題」をかくしていることが多い。それを見ぬくためには、子供の表情に注意したり、不明なところは率直にきくなどするとよい。

 エ 沈黙には意昧があることを感じとる。
○ あせらず、辛抱強く、子供の発言を待っのが基本である。

○ 沈黙が生じやすい時
 ● 抵抗の時
 ● 退屈した時
 ● 内容を整理している時
 ● 話題が出つくした時
 ● 応答を待っている時
 ● とまどいの時
 ● 両者がそのままの感情を体験している時

 オ カウンセラーの話し方に注意する。
○ 「はい」「いいえ」で答えられるような発問をしないことが大切である。
○ 不用意に、面接例や、自分の体験を述べることがあるが、これは子供に他力本願的な気持ちをうえつけてしまうので注意したい。

B 終 了

 「では、時間になってしまったから、きょうはこのへんで………」と言って終了するが、時間がきたからといって、機械的になったり、追いたてるような印象を、子供に与えてはならない。また、時として、終了間際に、子供が新しい問題を述べることがあるが、このような場合は、内容をよくきいたうえで、「今の問題は、この次、ゆっくりと話し合いしましょう」と言って、終わりにするのがよい。


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