研究紀要40号 事例を通した教育相談のすすめ方 - 012/025page

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(4) 面接における言葉の例

 
言葉の具体例
運用例ならびに注意

○「なるほど。」
○「そうですね。」
○「はあ。」
○「うん。」
○「そうですか。」
・面接の初期ではこれが中心となる。
・ラポートがつかない段階で指示的ニュアンスの強い言葉を述べると、子供に強い抵抗を生じたり、自発的発言をおさえてしまう。



※相手の述べている言葉・内容をくり返してそのまま言う。 ・非指示的方法で用いられる。
・沈黙・受容と同じ効果をもつ。
・認知的レベルの問題で連発するものはよくない。

※具体的な言葉として表現しないで、表情・態度で子供の述べていることを理解し、受容していることを示す。 ・正常な沈黙を破って教師の方から新しい問題をもち出さない
・子供が沈黙の重圧に耐えかねているような時は、これを固守するのはよくない。


○「今のあなたの話はこう考えていいんでしょうか?」
○「この点はどうなんでしょうか?」
・使用にあたっては誘導や解釈を含まないようにする。
・相談が中心問題になったら、「要約」とともに最も多く用いられる。

○「要するに、あなたの話は、こういうこどなんでしょうか?」 ・「明瞭化」と同じような効果をもち、用法も比較的同じである。

○「それはいい考えですね。」
○「そのとおりです。」
○「それでいいんです。」
○「それは当然です。」
・特殊な用法である。子供が不安に陥っている時一応是認によって強く支持しておいてから、他のカウンセリングにはいる時に用いる。

○「その原因についてどうお考えでしょうか?」
○「何か対策をお考えでしょか?」
○「全体としてどんなご意見をおもちですか?」
・終局的段階に用いられる。
・問題の深い分析に向かわせることをねらっているが、注意して用いないと抵抗を引き起こしやすい。



※問題の解決法を提案するが、それを強制するのではなく、相手が自由に検討できるように案を出してみせる。 ・問題を狭い視野からしかとらえられない子供に対して、新しい視野をもたせてやるためのものである。




○「あなたの問題は多分○○だと思います」
○「そうですね。君はそうしなければなりませんね。」
・認知的レベルの問題にはかなり有効である。
・感情的・人格的な問題では抵抗を引き起こす。
・子供が教師を尊敬している時は効果が大きい。

○「そうでしょうかねえ、私はそうは考えないのですが。」
○「いいえ、それはだめです。こうした方がいいでしょう。」
・教師が尊敬をうけている時にのみ効果をもつ。
・「拒否」と同様な効果がある。

○「絶対にこうです、まちがいありません」
○「私が絶対に責任を負います。」
・無理な保証は不信と反感を招きやすい。






※子供との話し合いを別な面へ誘導すること。 ・一般的にいって、ほとんど用いられない。

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