研究紀要40号 事例を通した教育相談のすすめ方 - 023/025page
強化暗示により不安感を除去し耐性をつける。
B 母親に対しては、カウンセリングによって、心配の先取りのまずさに気づかせる。
(7) 指導経過
@ 第1回
・ オセロゲームをやり、心理的な圧力から解放してやり、ラポートづくりをする。
・ 自律訓練簡便法の練習をする。
・ 家庭においても、テープにより、自律訓練簡便法を、起床時および就寝時に実施することを約束する。A 第2回
・ 家庭における自律訓練簡便法の練習状況を聞く。(起床時および就寝時、毎日実行している。なんとなく気分が落ち着いてきたような感じだ。からだの、肩までと、腰までの温感がつかめるようになってきた。)
・ バイオメータにより、GSR(皮膚電気抵抗)の変化から、心身のリラックス状態を判定する。
・ 催眠療法導入のため、後倒法を練習する。B 第3回
・ 催眠療法開始
(A)後倒→(B)腕浮上、合掌、硬直→(C)身体動揺→(D)幻味→(E)イメージ法→(F)覚醒〔暗示の言葉〕
(A) 両足のかかとと、つま先をそろえて、手はまっすぐにおろして下さい。頭は正しく起こして、目を閉じて楽にして下さい。からだの力を抜いて……私の言うことをよく注意して聞いて下さい。……では、今度、数を三つ数えて、この背中にふれている手をはなしますよ。そうするとからだが後ろの方に引かれるような感じがしてきます。……引かれて、倒れそうになったら、すぐ、支えてあげますから心配ありません。………ずうーと、後ろに引かれますよ。……ひとーつ、ふたーつ、みっつ……はい、ずうーと後ろに引かれます。もっと、もっと引かれます。…・ぐうーと……ずうーと倒れてしまいます………では、後ろにいすがありますから、ひざを折って、楽に腰かけて下さい。……
(B) それでは、手のひらに注意を集中して下さい。あなたの手は、ちょうど手と手の中心に磁石があるように、ぴたーっと吸いついてしまいますよ。……はい、両手がなんとなく軽くなって、浮き上ってくる。……上ってくる。……上がり始めた。軽ーくなって上がる。……そうすると、両手が中心に向かって引かれてくる。……ほーら、近づいてきた。……ちょうど、磁石に引きつけられるように、……ぐんぐん近づいてくる。……近づいてくる。……もうじき、両手がぴったりと合う……合わさったら、両手が今度は押し合っている。……固ーく合わさり、押し合っている。押し合っている。……さあ、今度はふるえ始める。ふるえる。ふるえる。……ふるえがだんだん大きくなってくーる。……両手は固ーくぴったりとついている。その手は離れなくなります。……離れない。はい、離れない。……どうしても離れない。今度は楽に離れますよ。……はい、離れます。……腕の力が抜けて、手が下がる。どんどん下がって、ひざにつく。……気持ちよーく、下がる。下がる。……下がる。……ひざについた。……気持ちがとても落ち着いている。……
(C) 私があなたのからだを揺らすと、からだの力が抜けていき、深いねむりに入っていきます。……左右にゆれてきます。……左右に大きく揺れてきます。……もっと、大きく揺れてきます。……揺れてくると、力が抜けとても気持ちがよくなり、うっとりとしてきます。……もっと大きく揺れてきます。……私が数を三つ数えると、今度は前後に揺れてきます。……ひとーつ、ふたーつ、みっつ……はい、前後に揺れてきましたね。揺れながら、頭がだんだん後ろに引かれてきます。……もっと、後ろに引かれてきます。
…頭がもっと後ろに引かれてきます。……からだも後ろの方へ引かれてくる。……もっと引かれる。……からだの力がもっと抜けてきます。