研究紀要第41号 学習指導の個別化 個を認める研究 - 024/044page
国語科学習指導案 昭和55年11月29日 第5学年1組 指導者 湯野小教諭 佐藤 勲
1.研究主題「個を認める研究」
−学習意欲を高めるために−学習を進めるための前提として大切なのは,児童の学習意欲である。
しかるに,意欲をもたせ,積極的に学習に取り組ませるための具体的な方法については,いつも実践の場で問題にされながらも,いまだに適切な方法は見い出されていない。
本研究では,児童の個性と学力に応じて,意図的,計画的に,まんべんなく「個を認める」はたらきかけがなされていけば,その,「認められた」ことが契機となって,どの児童も意欲的,積極的に学習に取り組むようになるのではないかと考え,一斉指導における「個を認める」はたらきかけのあり方を追求する。2.研究主題の解決策
(1) 前提条件 @ 一人一人の児童の性格と学力とを把握し,個を生かすために,下記の資料を活用する。
・Y−G性格検査 ・学力検査 ・知能検査 ・前学期の成績 ・事前テスト
A 授業の中で,児童の主体的な活動の時間をできるだけ多くとり,教師はその間個別指導に努める。(2)解決策 授業ごとに,あらかじめ3〜4人の児童を決めておき,その子たちを授業の中で「認める」場を意図的,計画的に設定し,短時日のうちには,少なくとも1回は,どの児童も,「認める」ようにする。このことを継続して行う。 3.研究主題と本時とのかかわり
児童名 前学年評定 学力SS 知能SS Y−G性格類型 所 見 A 2 31 35 C・気が利かない。弱気であがり易い。実直。
・反応がおそいが,まじめにやろうとする。 B 3 49 52 F・感情的,心配性,自我が強い。
・学習の態度にむらが見られる。 C 4 54 63 C・反省的,恥ずかしがり。
・意欲はあるが,なかなか表に出せない。 D 3 44 67 D'・気軽,活発,のんき,やや感情的。
・意欲的だが,国語は苦手としている。1.単元名 きゃく本のおもしろさを(木龍うるし)
2.単元の目標
(1) せりふとト書きから,二人の登場人物の気持ちや情景を読み取ると同時に,脚本のおもしろさを味わうことができるようにする。
(2) せりふやト書きに注意して,気持ちや情景が表れるように朗読することができるようにする。
(3) 正しい発音や言葉の抑揚,強弱に注意して,せりふの朗読ができるようにする。3.指導計画……(総時数8時間)
(1) 全文を読んで感想や問題を持ち,学習計画を立てる。……(1時間)
(2) あらすじをおさえ,筋の展開や表現のおもしろさを読み取る。……(1時間)
(3) 登場人物の性格と気持ちの変化を読み取る。……(4時間)○第一景を読み,権八と藤六,二人の性格を,つかむ。……(1)(本時)