研究紀要第41号 学習指導の個別化 個を認める研究 - 036/044page
授業記録
1.観点1,A児に対するはたらきかけを中心にして(略)
円谷 さあ,これはつり合った状態,さっきのはつり合わなかった状態だったね。今日は,この天びんのこちら側だけを見てもらいたいの。こちら側は動かさないで,考えないことにしよう。
この天びんの一目もりは4cmで,ここに,いまは12個のおもりがさがっていて,これでつり合っていますね。いま,もう一目もりをずらして,うでの長さが8cmのところにおもりをさげますよ。さあ,もとのおもりの数でつり合うかな………
つり合わないね。どうしたらつり合うのかな,はいTO君。
TO はい,おもりをへらす。
円谷 うん,そうか,どれだけへらしたらよいのかなあ,ひとつとるよ。まだまだだね。もうひとつ,もうひとつ………,ああつり合ったね。それじゃ,次にもう二目もりずらして,うでの長さが16cmのところにおもりをさげたらどうなる。いまの,このままのおもりをさげたらつり合うかな。
おや,つり合わないね。そうか……うでの長さがかわると,E君,何がかわるんだい。
E おもりの重さ。
円谷 そうだね。さあ,今日は,天びんのうでの長さと,おもりの重さの関係を調べていこうというわけ,ね。これが,今日の目あてです。
さあ,いままでのところで,いろいろ気づいたことがあると思うけど,どうだろう。さっきは,うでの長さが8cmのとき,おもりの数は6個,16cmのときは,おもりはどうなるんだろう。
児童たち へる。
円谷 ほんとかな。ああ,3個でつり合ったね。さあ,うでの長さと,おもりの重さの関係はどうだろう。A君。
A うでの長さを長くすると,おもりはだんだんとってゆく。
円谷 とってゆく,というのはどういうこと,もっとうまいいい方はないかな。たしかにおもりはとっていったよね。しかし,このことばをかえて,もっとぴったりしたことばでいってみよう。
A おもりの重さは軽くなる。
円谷 うん,そうだね。そのほかに,どんな関係があるか,はいU君。
U うでの長さが4cmから,その2倍の8cmになると,おもりの重さは1/2になる。
円谷 そうか。みんなもみとめるか。こっちが2倍になると,こっちは1/2,すなわち半分になる。という関係がありそうだ。これは比例か。比例だと思うひと手をあげて…。比例でないと思うひと手をあげて…。はい,比例でないということはみんなわかったね。だって,かた方が,2倍,3倍と大きくなったら,もう一方も2倍,3倍と大きくならなくちゃ比例じゃないものね。これは,かた方が大きくなると,もう一方は小さくなっちまうものね。比例でないね。(略)
2.観点4,B児に対するはたらきかけを中心にして
(略)
机間巡視による個別指導,B児にも指導後
円谷 さあ,いいですか。もういいですね。はい,こちらを向いてください。
それじゃ,発表してもらうぞ……。Yさんのグループどうしたかな……。それじゃNさん,どうですか。
N うでの長さが,2倍,3倍になると,おもりの重さは,1/2,1/3になる。
円谷 えーと,うでの長さが2倍,3倍,……になると,おもりの重さは,1/2,1/3,……になる。たしかにそうなっているね。そのほかに……,B子さん,どうですか。
B yかけるxが,全部1200になる。
円谷 yかけるxか,うーん,すなおに,x,yの順序にして,xかけるyといってもいいね。これが1200になる。そのほかにないかな……はい。
Mさん。
M 商が…一定にならない。
円谷 商が一定にならない。いいところに気がつ