研究紀要第41号 学習指導の個別化 個を認める研究 - 039/044page
算数科学習指導案 昭和55年11月27日 第6学年3組 指導者 瀬上小教諭 円谷良正
1.研究主題「個を認める研究」
−学習意欲を高めるために−学習を進めるための前提として大切なものは,児童の学習意欲である。
しかるに,意欲をもたせ,積極的に学習に取り組ませるための具体的な方法については,いつも実践の場で問題にされながらも,いまだに適切な方法は見い出されていない。
本研究では,児童の個性と学力に応じて,意図的・計画的に,まんべんなく「個を認める」はたらきかけがなされていけば,その「認められた」ことが契機となって,どの児童も意欲的・積極的に学習に取り組むようになるのではないかと考え,一斉指導における「個を認める」はたらきかけのあり方を追求する。2.研究主題の解決策
(1) 前提条件 @ 一人一人の児童の性格と学力とを把握し,個を生かすために,下記の資料を活用する。
・Y−G性格検査 ・学力検査 ・知能検査 ・前学期の成績 ・事前テスト
A 授業の中で,児童の主体的な活動の時間をできるだけ多くとり,教師はその間個別指導に努める。(2)解決策 授業ごとにあらかじめ3〜4人の児童を決めておき,その子たちを授業の中で「認める」場を意図的・計画的に設定し,短時日のうちには,少なくとも1回は,どの児童も「認める」ようにする,このことを継続して行う。 3.研究主題と本時とのかかわり
児童名 前学年評定 学力SS 知能SS Y−G性格類型 所 見 A 4 68 69 AB・活動的,外向的である。
・学級のリーダーとして,信頼されている。
・授業に積極的に参加し,理解も確実である。 B 3 45 58 AD・社会的適応性があり,積極的,外交的である。
・積極的に授業に参加する。
理解ははやいが確実さに欠ける傾向がある。 C 2 38 44 C'・消極的内向性でやや情緒の安定を欠く傾向がある。
・授業での発言も少なく,消極的であるが,家庭学習をしてくるなど改善しつつある。1.単元名 立体
2.単元の目標
(1) 角柱や円柱,角すいや円すいの基本的な性質について理解させるとともに,柱体やすい体の底面,側面,高さを知り,それらを認めることができるようにする。
(2) 角柱や円柱,角すいや円すいの展開図を読んだり,書いたりすることができるようにするとともに,その構成活動をとおして構成要素の位置関係について理解させる。
(3) 角柱や円柱,角すいや円すいの立体について,立面図や平面図を読んだり,書いたりすることができるようにする。3.指導計画……(総時数11時間)
(1) 角柱と円柱……(4時間)
@ 角柱,円柱の概念と「底面」と「側面」……(1)(本時)
A 高さと角柱の展開図……(1)
B 円柱の展開図……(1)
C 模型づくり……(1)
(2) 角すいと円すい……(3時間)
(3) 真正面,真上から見た形……(3時間)
(4) まとめ……(1時間)
4.本時の目標
(1) 角柱や円柱は,2つの底面が合同な多角形や円で,たがいに平行であることを理解させる。
(2) 用語「立体」・「角柱」・「円柱」・「底面」・「側面」を知らせる。
@ 立体を調べる観点を見つけることができる。
A 合同,平行な面があることがいえる。
B 角柱,円柱,底面,側面を指摘できる。
C 角柱や円柱の性質をことばでまとめることができる。5.児童の実態……略