研究紀要第42号 教育相談における心理検査の活用 - 014/029page
性格類型
A類型:平凡型
B類型:不安定積極型
C類型:安定消極型
D類型:安定適応積極型
E類型:不安定不適応消極型
F型:へそまがり型図1から,この学級は,B類型が12人(31%)で最も多く,D類型が4人(10%)で最も少ない。男女別では,男子はB類型が7人(35%)で最も多く,D類型及びE類型が各1人(5%)で最も少ない。女子は,B類型が5人(26%)で最も多く,A類型及びD類型が各3人(16%)で最も少ないが,男子ほど差は大きくない。
従って,類別からこの学級の特徴は,活発な学級で,ひとりひとりが個性に富んだ動的な学級であると思われる。だから,この学級の経営及び授業をする場合には,自由なふんい気の中に,ひとりひとりの持っている動的な個性を,思う存分発揮させることが大切であると考える。
また,リーダーシップをとる人に多く見られるD類型が少ないことから,担任として学級を経営するにあたって,多少,苦労はあるかもしれない。この点については,さらに因子間の解釈を行い,ひとりひとりの性格の細部にわたり調べていく必要があろう。
A 個人理解への生かし方
学業不振児A
○知能検査SS=67
○学力検査(算数)SS=58
(一学期評定:4)〈担任所見〉
自我が強く,非熟慮的,慎重性に乏しい。創造的な意見を出すが,根気がない。この子供について,知能に比較して学力がふるわない原因及びその対策について,図2からY−G性格検査の結果の解釈を中心に考えられるところをあげてみると次のようになる。
図2 Y−G性格検査のプロフィール
判定:B型(不安定積極的)(ア) プロフィールの解釈
周囲の状況に関心を持ち,客観的に物ごとを考えようとする面も見られるが,他人の言うことはあまり信用せず,心の中には現在の自分の状況や周囲の人間に対して不満を持ち友達も自分からはつくらず,人の中にとけこもうとしない。また,計画的に慎重に事を行うというよりは,むしろ,その場その場で軽率にやっていく情緒不安定の性格のように思われる。(イ) 学業不振の原因と対策
成就値一9(アンダーアチバー)で,学業不振に陥っている原因が,学習態度,学習技術,学習環境,精神・身体の健康等のどこにあるのか,そういうことをAAT(学習適応性検査)等を行い調べてみる必要がある。(P9〜10参照)。その結果によって対策も違ってくるものと考える。性格的な面からは,集団にとけこもうとしないところや,情緒不安定で軽率なところに知能にみあう学力がつかない原因があるのではなかろうかと考える。
対策としては,性格形成上,大きく影響を与えてきたと思われる親の養育態度についてその傾向を調べ,改善を図る。本人についての援助指導としては,Y−G性格検査のプロフィールの特徴から,客観的に物ごとを考えようとする面が見られ,また担任所見からは,