研究紀要43号 学校経営改善に関する研究 学校経営評価に関する研究U (第2・3年次) - 033/049page

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価試案をもとにした経営評価の資料と教職員の意思を交流し反映させるための全体での話し合いが必要であることを認識している表れであることは,次のような意見や感想からも推測できる。

○ 問題点や改善点の指摘については,冷静に受けとめ,十分話し合う機会を設けることが必要である。
○ 評価資料を解釈するときは,話し合い等をとおして十分検討し,経営改善に役立てることが大切であろう。
○ 結果の処理では,実態が把握されたならば,そのことについて討議する機会を設け,改善点については特に留意して最善の方策を生みだし,次年度計画の中で具体化されなければならない。

 なお,評価内容等についての理解度の差があるままに評価試案による経営評価を実施したことの不安なども,「改善点の指摘は半々」とする反応に表れた原因ともなっているのではなかろうか。経営評価の実施にあたって全職員の共通理解がいかに重要であるかを再認識させられるとともに,そのための配慮を忘れてはならない。

C 学校経営評価票は使いやすいか(問4)

ア 評価領域(4−1)
問4-1

イ 評価観点の表現(4−2)
問4-2

ウ 今後の学校経営評価の実態(4−3)
問4-3

 この設問では,評価領域の数,評価観点の表現,評価試案の活用の見とおしの三点から当評価試案の実用性,妥当性について考察する。以下,小問ごとにアンケ-トの結果と自由記述の意見等から,具体的に述べることとする。

 問4−1の評価領域の数については,「多すぎて負担に感じた」が約30%弱と表れているが,従来の話し合いや自由記述と比べて,このような全領域の評価を行う評価方法に不慣れのことと,必要感の差によるものと考えられる。例えば,財的領域について次のような意見等が寄せられているが,評価票方式による評価の仕方に慣れてくれば,評価内容の理解が深まるとともに,経営評価に対する意識も向上し,あまり負担を感じなくなるであろう。

○ 「予算配分と執行」の領域は,一般の先生方はよく理解していないので,評定が難しかった。
○ 会計事務等を直接担当していないこともあって内容が分からないため,あいまいに評価した項目も多分にあると思われる。
○ 評定の記入に際して,何度か相談が持ち込まれた。一つ一つの領域,観点について責任ある評価をすることに,かなり負担を感じていることも確かである。

 評価領域は多すぎるよりは少ない方が,活用,処理,考察資料の作成においても効率的であることは確かである。教育活動,経営活動全体のバランスを考えた評価領域の設定については,各校の実状に応じた創意と工夫が期待されるところである。


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