学校教育の場合,経営学でいうような概念上の明確な区別はない。学校経営を考える場合は,学校管理をぬきにしては考えることができないのである。理論的には両者は分離しうる概念ではあっても,学校経営にそれがもちこまれると,「経営管理」という一語となるのである。“administration”と“management”とは,これを離して考えることはできない。“administration and management”として両者は学校経営にあっては一語のものなのである。つまり,経営管理として学校経営を考え学校管理をみることでなければならない。経営機能と管理機能とは,今日の学校経営においては分離することが不可能なのである。
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教育法規の活用を基本性格とする学校管理が学校経営の客観的側面を強調するのに対し,教育的識見の実際化を基本性格とする学校経営は,その主観的側面を強調するとしながらも,学校教育の実際の場においては,このような学校管理と学校経営との概念上の区別はいちおう必要ないものとなり,両者はほとんど同一の意味に用いられるようになった。
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経営とは,主観的・理想的観点にたって教育活動に加えられる配慮であり,管理とは,客観的・法規的観点にたって,教育の条件ないし状態を維持しようとする立場である。
このことは,学校総営と学校管理の二つの概念が対立関係にあることを意味するものではない。学校という組織体の中には,創造的機能と管理的機能とが.おのずから含まれているものなのである。学校経営における特に.計画や実践の過程では,創造的機能が重視され,これを組織目的にそって,しかも制度的なものとして実現していく過程で,管理作用が営まれるのである。
このことから,管理は経営の一部を果たすものということができる。
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学校教育の場合,厳密には「経営管理」と呼ぷべきであるが,それを広義の「経営」の用語で略称し,またその内包を具体的分節的な実現の技術として展開する場合は「管理」とも略称することがある。
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L・A・アレンが“Management and Organization”の中でadministrationを「経営」と,mnagementを「管理」ととらえているが,P・F・ドラッカーは著書“Management”の中でmanagement を「経営」administrationを「管理」と.訳している。このようにAdministrationとManagementの語法は,アメリカにおいても流動的であり,したがって,その日本語訳もまた同様であるといえるのである。
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学校管理は.学校経営の一つの柱を構成し,学校教育目標の効果的達成のための.諸条件(4M)の整備を法的に保障する機能をもつものである。従って,学校管理に対置される観念としては,むしろ学校運営という用語をあてるべきであり,学校経営という概念には,学校管理と学校運営が内包して成立しているととらえることができよう。
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