研究紀要第45号 「学校経営改善に関する研究 第1年次」 -018/063page

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織づくりをめざすことが大切であろう。その都度,何回も改めて組織づくりを繰り返すことなく,一貫性と継続性を持たせながらも,その時,時の変化に応じて対処できる組織づくりを工夫することが重要なポイントになるものと考えられる。

(2)計画化からの見通し
 教育課程経営のみをらず,学校経営全体を通じてその中心となる機能は,計画の立案をするはたらきにある。計画機能は教育目標の立案から,具体的には個々の教育活動を有効かつ適切に運営していくためのあらゆる企画を含め,経営上最も重要な機能である。この計画の機能を教育課程の実際において,いかに発揮させるかという視点から,次の二点を見直しの具体的な項目として取りあげたい。
1 見通しのある計画
 計画(plan)は,従来ややもすればPDSのPの過程における計画,あるいは,そのための作用・活動にのみ限定されて考えられがちであった。従って,それが要因となってPDSが一貫した流れとして展開されず,机上の創意にとどまるという実践上の問題を生み出してきた。この課題を解決するための計画は,実践―評価さらには次の計画改善までの各過程に深い関連をもたせた計画でなければならない。 教育課程経営においても,編成過程のみが計画の段階であるとして,そこでとどまるのではなく,P−Dの過程における年間指導計画作成,学級経営計画作成及びD−Sにおける週案,日案,授業案とその実践後の反省評価を含めたPDSまでを見通した計画でなければならない。また,期末・年度末等に行われる評価の場合も,Sの過程だけが重要なのではなく,年間をとおして行われる評価活動を見通した評価計画がなければならない。このように,計画機能を発揮させる計画立案における重要なポイントは,P−D−Sの具体的作業や手順までも含めた,きめのこまかい企画であり,見通しのある計画であるということができる。
2 弾力性に富む計画
 実際の学校経営においては,その運営の途上多くの偶然性が入りこむことを予測しておかなければならない。従って,当初の組織・計画とおりに運営され実践されるとは限らず,必ずしも期待どおりの成果をあげるとは限らない。しかし,常に最善を尽くし,その時の情況や実情に応じ,適切な対処,対応により軌道を修正しながらも,目標達成に努めることが必要であり,各学校においても,実際に行われていることである。計画の過程においても,この点に十分留意し,綿密な計画立案を試みるとともに,偶発的事象に対応できるゆとりと弾力性のある計画であることが大切であろう。
 教育課程経営においても.日々の指導の実践における子どもの反応から,実態と計画のずれや指導上のさまぎまな障害,隘路等に対応できる創意工夫が大切であると同時に,計画が指導に生きるための週案,日案づくりによる対策・対処が必要となる。即ち,実践の途中で計画が評価され,実態に応じて修正され,フィードバックされることにより,次の指導に生かされる具体的な方法や手順が大切である。

(3)調整化からの見直し
 経営組織体としての学校の維持と発展を図り,学校教育本来の目的を効果的に達成させるためには,教育諸条件の整備に意をそそがをければならない。とりわけ,教育活動の主体者である教職員一人一人,そして,組織体としての相互の人間関係にかかわる人的要因は,その目的達成に大きを影響を与えるものである。
教育課程は,学級担任や各教科担任が主体的・創造的に実践するものではあるが,それは,学級経営や学年経営,教科経営等との関連の中で,さらには,学校経営の一環として,目標達成をめざして,総合的,全体的に推進されるものである。このような視点にたって,教育課程

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