研究紀要第45号 「学校経営改善に関する研究 第1年次」 -020/063page
W 教育課程経営の調査と考察
前章までは,主として予測される教育課程実際上の諸問題や課題を手がかりとして,教育課程経営の基礎的・基本的な理論を構築してきたわけであるが,本章では,それらの理論を裏付けるための実証的な追究を試みようとしたものである。
そこで,この章においては,本紀要資料編の中から,特に本研究と関連性の深い調査内容を取りあげ,考察をとおして本県における教育課程上の生の問題を明らかにするとともに,その改善策を示すことにより,次年度以降の実証的研究への橋わたしを図ろうとしたものである。
1 調査のねらいと内容
(1)調査のねらい
県内の小学校における教育課程経営についての実態を的確に把握するとともに,新教育課程実施1年の実践上の諸問題や今後の課題を明らかにし,改善・充実を図ることを目的とする。
(2)調査対象
1 学校用
○研究協力校(各教育事務所ごと2校)14校
○調査依頼校(各研究協力校周辺3校)42校
2 教師用
○研究協力校教師(校長・教頭・養護教諭・主事を除く)
3 児童用
○研究協力校児童(第6学年抽出1学級児童)
(3)設問のねらいと内容
1.学 校 用
項目 設問のねらい 設 問 の 内 容 研究との関 連 ◎印 教育課程の編成 教育目標 教育目標が年度の学校の教育課題との関連を重視し,実践の指標としてどのように具体化されたかをつかむとともに教師の教育目標に対する意識の実態をさぐる。 1.新教育課程と教育目標の吟味
2.教育目標の内容(価値)の分析
3.本年度重点目標と設定にあたっての留意事項
◎4.教育目標と教師の実践(意識と活動)重点目標の設定と教育課程編成への反映 教育課程の編成 教育課程の編成が組織的かつ計画的にまた編成の作業が合理的に進められたかどうかをつかむとともに,編成をめぐる諸問題(阻害要因)を明らかにする。 1.編成の基本方針と新教育課程基準の改善のねらいとの関連
◎2.編成の組織体制・教師個々の任務
◎3.組織態勢確立を阻む要因
◎4.編成過程の検討と内容(指導要領の事前研究・実態調査・大綱の作成と審議)
5.本年度教育課程編成に当たっての組織・日程上の問題点全員参加加による組織的編成と合理的・能率的作業の推進 教育課程の実施 年間指導計画 自校の教育課程を完全実施していくための基盤となる年間指導計画の整備状況をつかむ。広地域カ
リキュラムの自校化についての質をさぐる。◎l.年間指導計画の作成状況
◎2.年間指導計画作成上の留意事項(広地域カリキュラムの自校化)学校の独自性を重視した指導計画の作成 創意を生かした教育活動 ゆとりと充実のある学校生活実現のために学校生活全体や日課表について,創意を生かした教育活 動がどのように展開されているかその実状を把握し,改善の方向性をつかむ。 1.特色ある学校づくりをめざした創意を生かした教育活動
2.日課表・週時程の改善と児童の顕著な変容
3.創意を生かした教育活動(特設時間)の内容・方法
4.ゆとりと充実の観点にたったねらいの達成評価(教師や児童の反応)
5.体験的活動の実施状況教育目標との関連重視,実態に即した活動と趣旨の実現 合科的指導 事前の訪問調査において最もその研究開発が望まれた合科的指導について,その実際(実践を予測 した意向)をつかみ,その概要を現場に還元する。 1.合科的指導の実施状況
2.実施学年・教科の組み合わせ
3.実施方法
4.実施上の留意事項今後の各学校における多様な実践への資料提示