研究紀要第45号 「学校経営改善に関する研究 第1年次」 -025/063page
な活動にまで至っていない。
○ 調査結果から,編成過程における教師一人一人の経営参加が強調されているが,具体的にどのような組織をつくることが効果的であるかの創意工夫が必要である。
○ 編成過程における具体的な手順・時期・方法が明らかにされ,さらに教師個々の分担や役割が理解されてこそ,機能的な活動が可能となる。
○ それぞれの組織が学校全体の編成過程の中で,相互に有機的に関連づけられ,その機能が発揮できるような条件を整備することが大切である。
3 教育課程の計画的推進
このことについては,次の二つの調査及び集計結果から考察し,問題点を明らかにしていきたい。
ア 編成要領の検討改善―問(l)
イ 実際の編成手順の反省―問(2)
問(1)教育課程編成の手順(過程)について,次の各問に回答して下さい。
1 教育課程の編成に当たって,前年度までの編成要領(手順・過程)について検討が行われたかどうか一つ選ぶ。
ア( ) 全面的に検討を加えた。
イ( ) 時期とか組織に一部改善を図った。
ウ( ) 前年度新教育課程の実施に当たって大きく検討したので本年は行わなかった。
エ( ) 従来の編成要領を踏襲した。
オ( ) 問題はあったが改善が図られなかった。
カ( ) その他( )
<集計>
N=56 100%
問(2)本年度の教育課程の編成の日程・手順についての反省
<良かった点>
<改善すべき点>
編成日程や編成手順を細分化したのが良かった 3校 ↓↑
早めに計画を立て進めたのが良かった 4校 → 編成日程にもとづいて計画的に進めた 9校 ← 日程全体に余裕があり,ゆとりをもって進めることができた 5校 ↓
話し合いの時間が十分とれ深まった 2校
<考察>
計画の再吟味(編成手順・日程と編成の実際のずれ) 5校 ↓
年度末事務処理等との重複(繁忙期における編成からの脱皮) 6校 → 余裕(ゆとり)のある編成日程 9校 ← 本年度の編成計画全体を早める 6校
新教育課程の実施を迎えて,組織の上からも,日程の上からも,編成要領全体に検討を加えたという学校(ア〜ウ)が全体の85%を占めているということは,教育課程経営上の大きな進歩である。エの従来の編成要領の踏襲にしても,何らかの改善は加えられたものと推測されるし,とにかく,旧態依然の教育課程の編成から組織的・計画的編成に向かって改められつつあることは確かである。しかじ,このような意図のもとに樹立された編成計画が,実際にはどのように進められたであろうか。上の表,問(2)の計画的編成という点から,本年度の編成作業に対する反省を考察してみよう。
41%の学校が教育課程の編成日程を確立して,計画的に作業を進めたことを良かったとして受けとめていることは前問と同じく望ましい結果とみてよいであろう。しかし,本年度の編成日程の改善を求める学校が46%あることは,計画的推進という点を現実の学校経営の中で見直し,吟味しなければならないことを意味するものと受けとめられよう。即ち,その反省を詳細に分析すると,次のようにまとめられる。
○事前研究に要する日数,評価,情報収集に要する日数,実際の編成に要する日数,調整,