研究紀要第45号 「学校経営改善に関する研究 第1年次」 -026/063page
決定,承認手続きに要する日数など,編成過程における作業などの具体的を日程が明確にされていない。
○ 教育課程編成計画単独で考えられ,学校の年間運営計画の中に位置づけられていないので,実行に当たっての支障がおきやすい。従って年度末の繁忙期において,憤重な検討がされないまま,編成されやすいという現実的な問題や,日程全体にゆとりのある編成というような反省も生まれるのである。
<要点3> 新教育課程の編成が緻密を計画をもとに推進するまでには至っていない。
○ 編成のための作業内容や作業手順の大綱を決め,計画全体について全教師が理解することが大切である。
○ 教育課程編成についての日程上の基本的な考え方を明らかにし,年度当初に学校運営計画に位置づけることが大切である。
(2)教育課程の実施
教育課程を実施していく上での見直しの観点として,実施過程における「経営参加意識の高揚」と「指導の丹念な評価」を取りあげた。これは編成された計画がマネージメント・サイクルに乗らない学校が多いという現状を反省するとき,次の具体的な3点に焦点を当てて,吟味し,考察を加えることが妥当であると思われる。
○ 編成過程で強調された,年間指導計画の作成・改善はどう推進されているだろうか。
○ 日々の教育活動がどう評価され,改善へ結びつくものとなっているだろうか。
○ 新教育課程の趣旨が,日々の授業の質的改善にどう生かされているだろうか。
これらの三つの視点から実態を把握し,分析していくなかで,組織的・計画的な推進及び評価・調整機能を阻む要因が明らかにされていくものと思われる。
1 実施に結びつく組織的・計画的活動
このことについては,次の三つの調査及び集計結果から考察し,問題点を明らかにしていきたい。
ア 年間指導計画作成の実態―問(1)
イ 年間指導計画の作成状況―問(2)
ウ 未整備の教科・領域名―問(3)
問(l)「各教科・領域の年間指導計画の作成をどのように進めましたか。」一つ選ぶ。
ア( ) 広地域カリキュラムをそのまま利用した。
イ( ) 広地域カリキュラムの自校化を図った。
ウ( ) 学習指導要領および教科書をもとに独自に作成した。
エ( ) その他( )
<集計>
N=56 100%
ア イ ウ エ 20
64
14
2
問(2)「年間指導計画の作成状況はどうですか。」一つ選ぶ。(上の設問のアの回答を除く)
ア( ) 教科・領域全部について整備している。
イ( ) 半分程度整備されている。
ウ( ) 一部が整備されている。
エ( ) ほとんど整備されていない。
<集計>
N=46 100%
ア イ ウ エ 41
13
44
2
問(3)未整備の教科、領域名を・印を付して記入する。
<集計>(校数)
<考察>
国語 社会 算数 理科 音楽 図工 体育 家庭 道徳 特活 13 15 14 15 18 19 17 17 12 18
編成過程での調査結果によると,年間指導計画の編成に当たって配慮したことについて,すべての調査校が,基礎的・基本的事項の定着化,系統性を重視した等の指導計画の作成としてい