研究紀要第45号 「学校経営改善に関する研究 第1年次」 -028/063page

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気の醸成
・学年会等話し合う時間の確保
・研修機会の増加と研修の深化
・教材研究の交換など,教科部会と学年部会との連携強化

問(4)週案について,次の各問に回答して下さい。
週案の記載と活用の実際について,該当項目を一つ選ぶ。
 1( )指導の実際に生かされている。
 2( )目標の把握には生かされている。
 3( )時数の管理に生かされている。
 4( )進度の調整に役立っている。
 5( )提出のためのものとなり,記載する程度にとどまっている。
 6( )ほとんど記載していない。
 7( )その他(           )
<集計>
1 2 3 4 5 6 7
14 8 40 32 6 0 0
N=100 100%

問(5)授業の実際に生かされる週案の改善策を・印を付して簡単に記入する。
 <集約>
・ かんたんにして記述しやすくする。
・ 主題だけ書くようにする。
・ 反省も書けるようにする。
・ 研究教科にしぼって重点的に書く。
 <考察>
 問(1),(2)の調査結果から90%以上の学校が学年会をもち,学年集団の共通理解のもとに教育実践に当たっており望ましい傾向といえよう。また,学年会における話題も「行事等の企画・調整」が高率を示したものの,「学習指導」や「生徒指導」,「教育課程実施上の諸問題」についても話し合われており,ほぼ満足すべき状態と考えられる。
 しかし,問(3)の結果をみると,「共通理解の不足と,そのための時間不足」の回答がほぼ半数を示し,さらには,「望ましい人間関係」をあげた回答もかなりの数にのぼっている。
 このことから推察すると,問(1),(2)の結果はいわゆる「たてまえ」を述べたものであり,本音はむしろ問(3)にあるのではないかと考えられる。なお,一般的な学年会の機能を考えた場合,次のようなことをあげることができよう。(註1)
○ 学年目標の設定とその具現化
○ 教科・領域等の目標内容,方法並びに教材教具や資材の整備についての共通理解と相互研修
○ 学校行事の企画・運営
○ 学年生徒指導方針や計画の樹立と推進
○ 学年PTAの運営等
 これらの学年会の機能と調査の結果とを比較してみると,学年会運営の実際では,目前の行事等の計画や練習時間,場所等の調整に追われ,その機能を十分に果たしているとはいえないのではないかと考えられる。
 従って,日々の教育活動における評価だけでなく,モラールの高揚や密接なコミュニケーション等についても,機能するまでには至っていないと思われる。
 次に週案の活用状況について考察してみる。
問(4)でみるとおり,週案は進度の調整や時数管理のために利用されるのが多く,指導の実際には生きていないのが現状である。また,問(5)の「指導の実際に生かすための改善策」の問には無回答である。このことは,日々の教育活動の評価のみでなく,新指導要領の趣旨を体して,授業そのものを質的にどう改善していったらよいかに対する意識が予想以上に低いことを示していると考えられる。
〈要点2〉  教育課程の実施段階における評価は教師個々人,学年組織としても,意図的・計画的に十分に行われていないのが現状である。
○ 学年会の内容についてはさまぎま考えられるが,教育課程の実施状況について検討することは重要な機能である。
○ 日々の授業の実践の中で,常に反省・評価が加えられ,フィードバックされるような評価機能を重視しなければならない。なお,それをどう集約して改善に結びつけていくか組

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