研究紀要第45号 「学校経営改善に関する研究 第1年次」 -032/063page

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プラスの選択肢であったとしても,ウが71%にとどまり,他の記号に分散されていることに留意したい。教育課程評価のねらいは,あくまでも,次年度教育課程改善の資料を得るためであることを十分認識せず,枝葉的な事由にまどわされている教育現場が多いということの表れと受けとめることができる。
 両者の結果から考察した場合,教育現場における教育課程評価の意識は,まだ不十分であると同時に,経営的発想を生かした評価活動までに至っていないと考えられる。まして,この調査は,学校を対象としたものであることから推測すると,教頭,教務等,直接に教育課程経営にかかわる先生方の意識がこの程度であれば,一人一人の先生方の意識は,もっと低いものと予測される。P−D−Sの時間的経過に従って,意識が低くなっていくように考えられる。
〈要点1〉  教育課程評価に対する教育現場の意識は,まだ十分といえず,教師個々の認識や理解を得るまでに至っていない。
○ 教育課程評価の意義やねらいは,教育課程改善のための資料収集を中心に考えることが大切である。
○ 教育課程評価の機能は,経営過程に即して考えることが大切である。
2 教育課程評価のための組織とその機能的活動
 このことについては,次の三つの調査及び集計結果から考察し,問題点を明らかにしていきたい。
ア 教育課程評価の組織―問(1)
イ 教育課程評価の方法―問(2)
ウ 教育課程評価の問題点―問(3)

問(1)「教育課程の評価はどんな組織で行いますか。」一つ選ぶ。
 ア( ) 職員会議・研究協議会などの全体会
 イ( ) 学年会・教科部会等のブロック会
 ウ( ) 企画委員会,学年主任会等代表で組織されている委員会
 エ( ) 教育課程委員会など特別につくられた委員会
 オ( ) 評価部会など校務組織に位置づけられている専門部会
 力( ) ア〜オまでのいくつかの組みあわせ
   (           )記号と
    手順を示す→を記入
 キ( ) その他(           )
<集計>

66

17

4

2

0

11

0
N=53   100%

問(2)「教育課程の評価はどんな方法で行いますか。」二つ選ぶ。
 ア( ) 観察法
 イ( ) 面接法(書類閲覧,参観等を含む)
 ウ( ) 質問紙法(記述式,評価票を含む)
 エ( ) 評点法(学力テスト等を含む)
 オ( ) 話し合い(職員会議等を含む)
 カ( ) その他(           )
 <集計>

9

6

60

23

96

6

N=106   200%

問(3)「問題と思われるのはどれですか」三つ選ぶ。
 ア( )職員の意識が低い。
 イ( )共通理解を図るのがむずかしい。
 ウ( )組織化がむずかしい。(組織的にできない。)
 エ( )計画がたてにくい。(計画的にできない)
 オ( )方法がむずかしい。
 カ( )研究不足,理解困難である。(内容や領域等がつかめない。)
 キ( )評価票や評価用具が開発されていない。
 ク( )その他(         )
<集計>

19

41

41

31

63

37

26 42
N=147   300%

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