研究紀要第45号 「学校経営改善に関する研究 第1年次」 -035/063page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

 ○ 教育課程評価の機能を生かすには,総合的,客観的な評価票に基づいて,計画的・組織的に実施する必要がある。
註1:「学年学級経営の手引」    福島県教育庁義務教育課

  3 PDSの各過程における問題点とその対策
 前章において,教育課程を経営的発想に基づく見直しの観点として「組織化(組織的活動)」「計画化(計画的活動)」「調整化(調整的機能)」の三つを取りあげ,さらにそれぞれの観点ごとにいくつかの具体的な項目をかかげてきたが,ここでは,それらの観点や具体的な項目をPDSの過程に即して再吟味し,調査・考察をとおして集約された問題点にせまろうと試みたわけである。
 即ち,調査内容を考察した結果,前項各過程ごとの要点に要約されたようないくつかの問題点が明らかにされたわけであるが,ここでは,それらの問題点にどのように対処したらよいか,改善のための視点を取りあげ,それぞれの具体的な対策を考えてみることにする。その実践例は,次年度にのせる予定である。
(l)編成過程
要点 1.編成に対する教師個々の意識 2.編成組織の確立と機能的活動 3.編成作業の計画的推進
問     題     点 ○ 教育目標と教育課程の各教科・各領域の目標・内容との関連
○ 創意ある教育計画作成に対する教師一人一人の意識の高揚
○ 編成意識の高まりを具現する具体的な編成活動の創出
○ 一人一人の教師の経営参加をめざした,実態に即した編成組織の確立
○ 組織の機能的活動を促す分担・役割,活動内容等の明確化
○ 組織の機能発揮のための学校経営すべてをとおした諸条件の整備
○ 編成のための作業内容・作業手順等編成計画に対する全教師の共通理解
○ 学校経営全体の運営計画に対する編成計画の明確な位置づけ
改   善   へ   の   視   点 視 点 自校の教育課程に基づく年間指導計画作成への意識 教師全員の参加が実質的に生きるような組織の確立と活動 編成作業を能率的・合理的に進めるための計画と実践
対                策 ○ 年間指導計画作成の基点にたちかえり,その具備すべき要件や作成の手順に照らして,吟味・検討を加え逐次改善を図る。
○ 広地域カリキュラムを使用する場合は,地域や児童生徒の実態に即して,指導の重点の置き方や指導時数に検討を加えるなど,自校の指導計画として,真に授業の実践に生きるものにする。
○ すべての教師が意欲的に編成に参加できるようにするため校務分掌等の既存の組織を整備したり,新たな組織を設けるなど,教師一人一人を生かした組織づくりをする。
○ 各組織を機能的に活動させるため,分担・協力などその相互関係を明確にし,学校経営の組織全体に位置づけるなど,実質的な活動が推進されるように計画する。
○ 教育課程編成のための作業計画全体について,全教師が共通理解をもつとともに,具体的な日程が計画どおり推進されるよう,学校運営計画にあらかじめ組み入れておく等の配慮をする。
○ 編成のための各種会議や組織構成が複雑すぎて,実際の運営に支障をきたすことのないよう,できる限り簡単化・重点化を図る。
教師の学校経営参加がとくに求められるのは,教育課程の編成過程における参加場面であるとも

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。