研究紀要第49号 「登校拒否タイプ別治療方法の研究」 -014/038page

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 ・親子関係診断テスト

2 テスト・バッテリーとその解釈

○ Y−G性格検査
 情緒不安定,社会的不適応,非活動的,消極的・内向的な性格で典型的なE型である。自己の弱さのためにノイローゼや問題をおこしやすいタイプで,特にこの生徒の場合,非活動因子Gに問題があり,情緒不安定因子のD,N,0が加味されノイローゼ傾向が強くでる危険性が考えられる。また,主観的Oが高く,人を信用せず,過敏な生格N,Cが社会的内向Sとのかかわりで対人接触をさけ,自らの生活圏を狭くしていることが考えられる。
Y−G性格検査

○ カラーテスト
 外部からの刺激に対して過敏なほどの感受性があり,制約や束縛をきらっている。現在,精神的にやや退行状態にあって引きこもりもみられる。また決断するのに躊躇(ちゅうちょ)し,ゆううつになっている。

○ バウム(樹木画)テスト
 自分の存在を認めてもらいたいと願っているが,不安感情が極度に強く,他人に対しては遠慮がちであり,良いにしろ悪いにしろ,他人らの影響を受けやすい。自我が未熟で自律的行動は困難である。

○ 不安傾向診断テスト(GAT)
 本人の不安対象が最も表出しているのは対人的不安である。性格検査でみらられるD,T,N,0などの性格特性が退避的な不安傾向にかかわっているものと思われる。次に孤独傾向が高く性格特性にみられるG,T,Sとのかかわりで対人不安を形成し,このような不安が身体的徴候としての生理的反応をおこし心因的な身体異常や心気的な症状を呈するものと考えられる。このことがさらに本人の衝動傾向を増大しているものと思う。総不安偏差値も72と相当高く,特別な個人指導計画が必要とされる生徒である。
不安傾向診断テスト(GAT)

○ 不安診断検査(CAS)
 ・自我感情が年齢相応に発達していない
 ・自我感情が年齢相応に発達していない
 ・自我が弱く情緒不安定である
 ・固執性が強くパラノイア傾向が大である
 ・憂うつ感,自信のなさがめだっている
 ・神経質傾向が大きい
 総合的にみて,すべての因子個々に問題が強く表出している。
不安診断検査(CAS)

○ 親のエゴグラムと親子関係診断テスト
 父は頑固で自分の考えを押し通すタイプ。母は自分の枠組から子供をとらえ感情的に対拠していくタイプである。親と子供の養育態度に対するみかた,考え方では三者とも消極的に拒否しあい,親が


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