研究紀要第49号 「登校拒否タイプ別治療方法の研究」 -026/038page

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本人に対するカウンセリング

指導方針とのかかわり方

母親に対するカウンセリング

2〜5

 7月

・友達Yからの手紙の返事を書く。音楽をきく,(ロック)
・家での手伝い(清掃など)
・外には出たくない。

※ バウムテスト・エゴグラム
 SRQ−Dを実施
・子供との触れ合いを多くし、子供を理解する努力をさせる。
・父親と一体となり子供にかかわらせる。
似ているが,娘は縫い物もできない。
・父親は腰をおしつけているが,私は毎日心配でしょうがない。
・休学手続きをとった。
6〜8

 

 

8月

○ 幼稚園〜中学校の思い出をきく。
・幼稚園の遠足の時,ほしい物があったが我慢した。
・早熟(初潮4年生)で乳房が他の人より大きくはずかしくて体育の授業はいやだった。
・中学校に入り少し勉強したらば1番になり,それからはあまり遊ばず,勉強ばかりしていた。中学時代は楽しかった。
○ 友達についてきく。
・Yと映画「エデンの東」を見にいった。親子の愛について考えさせられた。
・Hから手紙をもらった。女らしい文面であり人の心がよくわかる人だ。
○ 母子関係が好ましい方向に改善されてきている。
・子供への母親の積極的なかかわりがあらわれてきた。
 自分の苦しみや不安がどこからくるのか考えさせる。

○ 友達を通し行動は外へ向かい、思考は人間の心や愛情に向けられ自己洞察もすすむ。

 過ぎし日の親の子育てについて回想させる。

 子供に対して父親はどのような役割をになっているかについて両親がともに考える。
○ 子供との触れあいをきく。
・夕食の料理を一緒につくる.
・スカートの作り方を教える。けっこう上手に縫っている。
○ 生育歴についてきき出す。
・無口でけんかもせず,物わかりのよい子であった。
・働くのに忙しく子供を抱いたりすることは少なかったが、しつけだけはきちんとした。
・早熟だったため,男の子からひやかされはしないかと,子供以上に心配した。
・高校に入ってからは風船がしぼんだように元気がなくなった。
・小さいころは大人びていて,今はまるで逆になっている。
9〜14

 

 

9

10

○ 状況の変化をきく。
・A市のおばのところへ一人で遊びにいった。(一人で旅行したのは初めて)
・友達Hから手紙がきた。将来教育心理学を学びたいと書いてあった。私も興味はある。
・自分の性格は二重人格かもしれない。人前では,優しく,辛抱強く,判断力があるような顔をしているが、内面は強情でわがままであり,自分をよくみせようとして無理をする。自分は母とよく似ている。
 自分の性格のひずみ(よく見せようと無理するところ)に気づかせる。
 母親のあり方が影のうすい父親にしていたことを反省させる。

○ 母親は今まで外面にとらわれすぎていたことに気づく。
○ 社会的経験が拡大されつつある。
○ 子供と親との心理的な距離が近くなる。
○ 状況の変化をきく。
・おばの家へ一人でやらせるのは心配だった。自分の小遣いで土産をかってきた。こんなことは初めてでありうれしい。
・風呂をわかしてくれた。
・HやYの友達とは気があうようだ。
・農家の本家なので世間体にばかり気をとられていたかもしれない。父親は,おとなしい人なので,自分が少し強くなりすぎていた。
・祖母と自分はよく似ている。
15〜19

11

・12

○ どんな様子かきく。
・おばの入会している宗教団体(S会)の冬の修養会(青年部)に一週間参加。討論会,施設への奉仕活動、班長などをさせられ,大変楽しかった。スキーも教わ
○ 親の自己洞察が進み,これまでの養育のまずさが改善されてきている。
○ 父子及び本人と弟の結びつきがよくなってきた。
○ 自主性・社会性が育ってきた。
・新しいことにぶつかってい
○ 子供の生活状況についてきく。
・子供が良くなってきている。
・最近,行動的になった。
・修養会での娘の様子をおばからきいた。子供の成長を涙を流しながら語る。
・弟の勉強をみてくれている。

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