研究紀要第49号 「登校拒否タイプ別治療方法の研究」 -030/038page

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本人に対するカウンセリング

指導方針とのかかわり方

両親に対するカウンセリング

3〜19

 

11

3

かと立腹したため。
 ○ 学級担任から判定会に提出するので進級したいなら登校するように指示された時。
◎ 一日の生活のようすを話し合う。
 ※ 父親に朝早く起きろと言われたのに反発し,深夜まで音楽を聞き,日中寝ていたのをきっかけに,昼夜の生活が逆転した。
◎ 体育館で卓球をする。
 ※ 35分間汗をいっぱいかいて楽しそうにしていた。
◎ 今一番やりたいことについて話をきく。
 ○ 将棋が強くなりたいこと。
 ○ バイクの運転をしたいこと。
の気持ちを暴力によって表現した時,きぜんとして,本人の要求に屈しない強さを示す必要があることを話す。
○ 相手の立場に立って考えてみるゆとりがなく,責任を夫にのみ負わせていないか考えさせる。(母親)
○ 話し合いの機会を多くもち,お互いの気持ちを大切にしながら,楽しく話し合うようにさせる。
○ 本児の意見を尊重しながら,きめたことは必ず実行させる厳しさを保つことの必要性を話す。
・話をきいてくれない。
・子供の前で妻の悪口を言う。
・自分勝手な行動が多い。
○ 本児の行動についてきく。
・音楽を聞いたり,漫画を読んでいる。
・ほとんど入浴をしなくなり,部屋も乱雑にしている。
・13回ごろ父親に対して自分の意見を強く主張するようになった。
・14回,初めて同級生の友達に手紙をかいて出したり,分校に転校したい等と母親に話すようになった。
・学級担任から進級の連絡があり,とても喜んで,入浴したり,買物に行ったりした。
20〜31

 

   4月〜11月
◎ 新聞配達のアルバイトを始めたことについて話をきく。
 ○ 音楽をきくためにラジカセがほしくなり,お金が必要なので,自分でやろうと思った。
 ○ 電柱にはってある募集のびらをみて,自分でたのみに行ってきた。
 ○ 朝4時に起きていって7時ごろ帰ってくること。
 ○ 50軒受けもって配達をしていること。
◎ このごろの生活のようすをきく。
 ○ 母親の実家に一人で泊りに行ってきたこと。
 ○ 同級生が修学旅行のアンケート用紙をもってきたので父親と話し合ったこと。
 ○ 父親と日曜日に近くの公園でキャッチボールをしていること。
 ○ 家の掃除を手伝っている。
 ○ 昼寝はしなくなったこと。
◎ 将棋を指す。
※ イライラしたようすがなくなり,笑顔がみられた。
※ 将棋の内容について「こうすればよかった。」等と反省をしきりにしていた。
◎ 生活のようすについてきく。
・買物をしたり,食事の準
 自分で計画を立てて,生活できるようになったことを認めてはげます。
○ より一そう目的的な生活を送るには,どうすべきかについて考えさせる。
○ 両親の態度をどう思うか考えさせる。もし変わっているとすれば,なぜ変わったのかも考えさせる。
○ 友達のことや学校のようす等についても思い出させ,自分の将来について考えさせる。
 本児が自分で決めたことを最後までやりぬけるように援助するには,どうしたらよいか考えさせる。
○ 自分のことだけでなく,新聞配達を急にやめたら,他の人に迷惑をかけること等についても父親から話してやることが大切だと話す。
○ 父親と母親が役割を明確にして,お互いに協力し合うことが必要なことを話す。
○ 本児の行動についてきく。
・新聞配達を始めて,1週間後に「やめようかな。」と言い出した。母親が「月末に給料がでるのにもったいない。」と言うと,しぶしぶ出かけていったが,帰ってきてから「自分できめたことだからがんばるぞ。」と言っていた。
・前述の10日後,また「新聞配達をやめたい。」と言い出したので「あなたが自分で決めたのだから自由にしなさい。」と母親が言うと,いらいらして浴室の鏡をなぐりつけ,手にケガをした。その後「パカなことをしたな。」と反省していた。
○ 父親に「教育センターになぜ行かなかった。」ときかれて,カッとして母親になぐりかかったが,「やめなさい。話せばわかるでしょう。」と強く言うと,静かになって謝った。
○ 父親と将棋をしたがり,夜食後にやっている。
※ 父親とも何のわだかまりもなく話ができるようになった。
◎ 両親と,バッティングセンターや,デパートに買物に行っている。
※ 新聞配達はかわりの人が見つかるまで頑張るといっている。

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