研究紀要第50号 「学校経営改善に関する研究 第2年次」 -003/071page

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第1年次における調査においても,教育課程の評価は総合的・客観的に行うことが大切であると認識していても,その実施に当たっては,評価対象や観点を具体的にどうしたらよいかがわからないため,形式的な方法で行っているという考察が述べられている。そして,次の2点を教育現場の実情としてとらえている。

教育課程経営のための客観性のある評価用具(評価票を含む)の開発が望まれている。
各学校において自校化できる教育課程評価の基本的構想または原型としての評価票試案の作成が要望されている。

この要望にこたえるためにも,教育課程経営の改善充実に役立ち,教育現場において広く活用される実用的な教育課程評価票(試案)の開発をめざしてこれからの研究を進めていくことにする。第2年次の本年度は,教育課程評価についての理論の構築と実態調査に基づく問題点の把握,並びに評価票(試案)の作成と研究協力校での試行を研究内容とし,研究最終年度である第3年次の教育課程評価票(試案)の開発へ発展させていく。

3 研究の計画

本研究は,昭和56年度より3年間の多年次にわたる研究であるが,次の年度別研究計画に基づき研究を推進している。

(1) 研究推進の基本方針


[1] 教育課程経営に関する文献研究をとおし,基本的事項についての理論をまとめる。

[2] 各研究年度毎に,県内各地区より研究協力校を選定し,教育現場の実践上の課題を明ら かにし,理論との融合を図った調査研究とする。

[3] 当教育センターが昭和53年度より3年間にわたって継続研究した「学校経営評価に関す る研究」を研究推進の基盤として研究をすすめる。

[4] 各研究年次毎に研究成果をまとめ,研究紀要として刊行し,県内各学校及び関係機関に 配付できるようにするが,本研究全体にかかわる成果は第3年次紀要においてまとめるこ とにする。

[5] 研究との直接的な関連性はないが,県内小中学校における新教育課程の実施に関する 実態調査を行い,その調査結果並びに一般的動向を示す具体的資料を,各年次の紀要に資 料編として掲載し,教育課程の改善充実に役立つようにする。

(2) 研究計画・概要

年度 昭年56年度 昭和57年度 昭和58年度
調査対象 小学校 中学校 小・中字校
理論 1.学校経営と教育課程経営
2.教育課程経営の意義・機能
3.教育課程経営の概念―教育課程経営に関する諸説
4.経営的発想に基づく教育課程経営の見直し
1.教育課程評価の意義
2.教育課程評価の周辺―教育評価とアカウンタビリティ
3.経営的発想に基づく教育課程評価
4.教育課程評価の構想
1.教育課程評価票(試案)―特色と使用方法
2.教育課程評価の実際
3.教育課程の改善
紀要内容 1.研究の趣旨
2.研究の構想―現状と課題
3.理論
4.教育課程経営の実態と考察(小学校)
5.PDSの各過程における問題点と対策
6.研究のまとめ
1.研究の趣旨
2.第1年次研究の経緯
3.理論
4.教育課程経営の実態と考察(中学校)
5.教育課程評価の問題点
6.研究のまとめ
1.研究の趣旨
2.第1年次第2年次の理論の整理
3.理論
4.教育課程評価票(試案)活用の調査と考察
5.教育課程評価票(試案)
6.研究のまとめ


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