研究紀要第50号 「学校経営改善に関する研究 第2年次」 -013/071page
[2] アカウンタビリティーの考え方
アカウンタビリティーの考え方については,主として奥田真丈氏の著書に多く述べられているので,その文献をもとに紹介することにしたい。
奥田真丈編 「現代学校教育全集4教育課程の編成」 (ぎょうせい) アカウンタビリティーとは,学校や教育委員会など学校の当事者は,自分たちが行っている教育計画がどれだけの成果をあげているかを,教育の主権者であり納税者であるところの市民に報告する責任があるという,この教育成果報告責任をいい,近年アメリカにおける教育評価を特色づけている思想である。このような思想が高まってきた理由として,
[1] 昨今教育費が増大しているが,それがどれだけの成果をあげているかを知りたいという 社会の関心の高まり [2] 新しく金のかかる教育計画が開発されるが,これがほんとうに生徒たちに力をつけている だろうかとの疑問 [3] 学校が優秀な生徒だけでなく,大部分の生徒の学習を成功させているかどうか,落ちこ ぼしてはいないかの関心 [4] これまで,生徒の学習の失敗の責任はその生徒に負わされたが,近年,教師・学校にも 責任があるという考え方の浸透 [5] 教育管理者が,教育予算や設備の配当についての決定のために,成果についての情報を