研究紀要第50号 「学校経営改善に関する研究 第2年次」 -032/071page

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会や職員会議がもてれば,共通理解を図るうえで理想的かもしれないが,教育現場の実態から推測するならば,効率的な面から難しいのが現状であろう。一般的には,学年部会,教科部会などの組織,さらには代表委員の参加による企画・運営委員会などの組織で代行し,個人←→委員会←→全体会の方法で意見が集約され,共通理解が図られているものと思われる。また,評価委員会や評価部(係)のような専門的な特別の組織を確立して,それを中核にすえ,評価活動の任にあたらせている場合も考えられる。

いずれにしても,教育課程評価を効果的に,かつ効率的に行うには,それを進める最も適した組織をつくり,計画的・組織的な評価活動が展開できるような運営に配慮することが肝要である。このような組織・運営が行われてこそ,教職員一人一人の意思が十分生かされることになるのである。教職員の意識の変容や評価活動への主体的参加は,前に述べた評価手順の改善だけでなく,評価の組織・運営によっても大きく左右されるものであるから,各学校は,その実情に応じ,最適の組織づくりとその運営の充実に努めたい。この組織・運営の工夫は,単に評価実施のための組織だけでなく,学校経営全体にかかわる大きな課題である。教育課程の経営においても,計画―実施―評価の各過程において,どのような組織を組み,どのように運営していくかが究極的には問題となるのである。学校の模規・組織の人員の実態をふまえた各学校の創意と工夫が期待されるところである。

実施の手順との関連において評価の組織を次のようにまとめてみたが,各学校の実情により,組織そのもの,及び手順との関連をどう組み合わせているかを考えていかなければならないだろう。

表4 評価の手順と組織

段階
組織(例)
手順
校長・教頭・教務主任 部会 委員会 全体会(職員会議)
教育課程各係会
教育部会
学年部会
経営評価委員会
教育課程委員会
企画運営委員会
学年主任会
教科主任会
計画 教育課程評価の基本思想


共通理解

評価計画樹立


評価票作成

実施 評価票の記入


評価結果の集計
評価 集計結果の検討
改善方法改善策

教育課程の改善


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